2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560718
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
大澤 弘敬 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋工学センター, サブリーダー (00371732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 剛 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋工学センター, 研究員 (10371733)
居駒 知樹 日本大学, 理工学部, 講師 (50302625)
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Keywords | 海洋エネルギー / 波エネルギー / 波力発電 / 振動水柱型 / 一次変換 |
Research Abstract |
振動水柱型(OWC型)の波力発電装置はそのエネルギー吸収の原理として,波の周期と空気室内の振動水柱の固有周期が共振したときに一次変換効率が最大となる.従って,仮にいくつもの追った固有周期を持つ振動水柱を有する空気室があれば単一固有周期を持つ振動水柱型の空気室に比べ,一次変換効率は向上するはずである.ここで提案する多重共振型波エネルギー吸収機構とは振動水柱型波力発電装置の一次変換装置として底板付空気室モデルにProjecting Wallという壁を取り付けた振動水柱空気室モデルである.従来モデルの前面にProjecting Wallを新たに取り付けると,空気室内の振動水柱の固有周期とは別にProjecting Wallの干渉効果による同調現象が現れ,理論的には波エネルギー吸収効率の特性が双峰型となり,入射波の周期全体に広く波エネルギーを吸収できると考えられる.そこでProjecting Wallを取り付けるため底板付空気室モデル及びProjecting Wallの形状寸法等を振動水柱の固有周期を考慮の上,多重共振型波エネルギー吸収機構の一次変換効率を含めた諸特性の現象の詳細な解明のための模型実験を実施し評価,検討を行った.また,あわせて従来型の振動水柱型空気室との一次変換特性の違いに関して若干の考察を行った. その結果、本年度は以下の結論を得た 1)振動水柱部の圧力特性は水面変位に比べ,P.W部の影響により双峰型となることが確認できた.ただし,ノズル比に関してはさらに詳細な検討が必要である. 2)多重共振型波エネルギー吸収機構の設計において,効率よく振動水柱部を共振させるためには,振動水柱の固有周期よりも低周期側でP.Wの共振周期を設定することが必要であると考えられる. 3)波と空気室内の振動水柱との共振点を増やすためにP.Wは有効な機構であり,多重共振型波エネルギー吸収機構として従来の単一共振型空気室モデルに比べ,一次変換効率の向上に期待が持てる.
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