2006 Fiscal Year Annual Research Report
近接型AEダブレット解析による地下き裂の動きの推定法
Project/Area Number |
17560719
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
永野 宏治 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (90212109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板倉 賢一 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (20168298)
佐藤 和彦 室蘭工業大学, 工学部, 講師 (90344548)
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Keywords | アコースティック・エミッション / 地下き裂 / 相似地震 / 地熱エネルギー / ケプストラム |
Research Abstract |
近接型AEダブレットの相対震源座標を標定するアルゴリズムについて,前年度までの問題点を解決した。問題点とは,いくつかの近接型AEダブレットにおいて,ケプストラムが線ケプストラムにならず,2本の線ケプストラムあるいは幅の広い線ケプストラムになることである。新しい標定アルゴリズムでは,まず,3成分AE信号をP波の振動方向,S波の振動方向に座標変換する。P波振動方向とS波振動方向の信号のケプストラムを求める。さらに,第1P波の前の信号を削除した信号のケプストラムも求める。両者を比較することにより,P波の入力時間差とS波の入力時間差を検出できるようになった。 ソルツHDRフィールドで1993年に行われた水圧破砕実験で観測したAEを解析し,52個の近接型AEダブレットを見つけた。そして,それの相対震源座標を決定した。相対震源座標の標定では,第1AE源の近傍において,複数の観測点で観測した近接型AEダブレットの入力時間差を満足する相対震源座標を,グリッド探索で求める。 新たなデータとして,オーストラリア・クーパーベイズンの水圧破砕実験で観測したAEを解析した。このフィールドで観測した近接型AEダブレットの特徴を検討した。クーパーベイズンで観測した近接型AEダブレットのケプストラムは,ソルツと勇払の近接型AEダブレットのケプストラムより,入力時間差の線ケプストラムの幅が広い特徴があった。このように線ケプストラムの幅が広いと,入力時間差の精度が低くなる問題があることが判明した。
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