2006 Fiscal Year Annual Research Report
フライアッシュセメントを用いた環境低負荷型有効利用に関する研究
Project/Area Number |
17560722
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
島田 英樹 九州大学, 大学院工学研究院, 助教授 (70253490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 紀久男 九州大学, 大学院工学研究院, 教授 (30136535)
一ノ瀬 政友 九州大学, 大学院工学研究院, 助手 (50038006)
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Keywords | フライアッシュセメント / 流動性 / 強度 / スレーキング / 鉱山への適用 |
Research Abstract |
現在、わが国がこれまで培ってきた高度な採炭技術は中国やインドネシア、ベトナムに移転されているが、石炭の露天掘りにおいて経済的な剥土比を超えた場合や、露天掘りから坑内掘りへ移行する際には、ハイウォール採炭システムが採用される。しかし、この採炭方法は、採炭跡がそのままの状態で放置されるため、地表沈下、坑内水の地表への流出など、周辺環境に大きな負荷を与えているのが現状である。そこで、流動性、止水性に優れ、現地の火力発電所で大量生産されるフライアッシュをセメントと混合とし、骨材として現地で発生する石炭ズリを用いて積極的に利用するために、採炭跡にズリ混入フライアッシュセメントを充填し、ハイウォールの安定性の確保や地表沈下の抑制に対応できるか否かについての検討を行った。 研究成果をまとめると以下のようである。まず、フライアッシュセメント注入時の粘性および流動特性等を明確にするために、粘性試験、強度試験および土槽を用いた注入試験を行った結果、フライアッシュセメントは、ポルトランドセメントに比して、粘性、ブリージング性、流動性に優れていることが明らかになった。また、強度に関しては、フライアッシュを混合することにより低下するが、要求される強度に応じてセメントにフライアッシュを混合すればフライアッシュセメントを有効利用できることが分かった。さらに、充填後の温度上昇もフライアッシュセメントを用いることにより抑制できることも示した。 次に、採掘空洞へのフライアッシュセメントの充填に効果があること、さらにスレーキング性岩石の処理材料やズリ堆積場斜面の安定性確保へのライニング材料として、フライアッシュセメントの有効利用の妥当性について示した。
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