2006 Fiscal Year Annual Research Report
燃焼過程における未燃物遠心分離再焼焼法による有害物質の極少化
Project/Area Number |
17560724
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川端 弘俊 大阪大学, 大学院工学研究科, 技術専門職員 (20379142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中里 英樹 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教授 (30283716)
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Keywords | 未燃物再燃焼 / 旋回流 / 遠心分離 / エネルギー削減 / 有害物極小 |
Research Abstract |
本研究の目的は、廃棄物燃焼炉2次燃焼域に旋回流を付与することにより浮遊物質を遠心分離し、それら浮遊物質を燃焼炉に再送することにより有害なベンゼンやダイオキシン類の生成を抑制する『旋回流による未燃物遠心分離再燃焼法』に関する基礎研究を行うことである。今年度の成果を以下にまとめる。 800℃に制御した燃焼炉に燃焼物(都市ゴミを模擬したPVC、小麦粉などの粉末)を一定速度で、流量5L/min(s.t.p.)のO_2-N_2混合ガスとともに連続的に添加し、その燃焼排ガスを800℃に制御した小型ステンレス製高温サイクロンに導入した。混合ガス比率(燃焼ガス組成)は排ガス中の浮遊力-ボン系物質(C^*)の個数を変化させるために、40,20,12,10vol%O_2-60,80,88,90vol%N_2に設定した。ベンゼンおよびダイオキシン類濃度などはサイクロン入口および出口においてサンプリング・分析した。また、サイクロン入口および出口で浮遊C^*をSiO_2フィルターにトラップし、その個数および粒径分布をSEMおよび光学顕微鏡によって観察・測定した。 燃焼排ガスあるいは遠心分離再燃焼後の排ガス中の浮遊C^*の個数とベンゼンおよびダイオキシン類濃度との間には正の相関が得られた。燃焼ガス組成10%O_2、12%O_2の場合は、燃焼排ガスを高温サイクロンに導入し遠心分離再燃焼することにより浮遊C^*が減少し、ベンゼンおよびダイオキシン類濃度も約1/5にまで減少した。一方、燃焼ガス組成20%O_2の完全燃焼条件下では、ベンゼンおよびダイオキシン類濃度が約1/2にまでしか減少しなかった。減少率悪化の原因は、小型サイクロンのため微粒子とサイクロン壁面との摩擦が非常に大きいこと、および2μm以下の微細な浮遊C^*の増加による部分分離効率が低下したことである。本実験で得られた高温域における微粒子の部分分離効率の推算式より、サイクロンの大型化ならびに排ガスの流入速度の土昇によりベンゼンやダイオキシン類などの有害物質の削減率も大きく改善されると考えられる。
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Research Products
(2 results)