2005 Fiscal Year Annual Research Report
リップルトカマク/ヘリカル系プラズマにおける自発電流とその制御
Project/Area Number |
17560729
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 祐司 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (20198245)
|
Keywords | プラズマ・核融合 / トロイダル磁場リップル / リップルトカマク / ヘリカル系プラズマ / 自発電流 / ブートストラップ電流 / バンピー磁場成分 / 新古典輸送理論 |
Research Abstract |
高いプラズマ圧力をもつトーラス型磁場閉じ込めプラズマでは、新古典輸送理論に基づいて予想されたブートストラップ電流と呼ばれる自発電流が流れ、プラズマ閉じ込めに大きな影響を与えている。本研究の目的は、リップルトカマクやヘリカル系プラズマのように非軸対称なMHD平衡を有するプラズマにおいて、ブートストラップ電流がプラズマ閉じ込めに及ぼす影響を理論的に研究しその制御手段を検討することである。 この目的のため、最初にL=1ヘリオトロンとリップルトカマクにおけるブートストラップ電流の解析を行った。L=1ヘリオトロンであるヘリオトロンJ装置では、磁場配位を変化させることでブートストラップ電流の向きが反転するという興味深い実験結果が得られている。理論・数値解析から、ブートストラップ電流の向きの反転はバンピー磁場成分の変化が主な要因であるが、反転が起きるためには有限のトロイダル効果が重要であることが明らかになった。また簡単な解析的評価からは、トカマクにおけるブートストラップ電流は、1.5%程度のトロイダル磁場リップルにより50%以上減少すると予想されるが、詳細な数値計算によると10%程度の減少に留まることが分かった。ただし、この値は無視できないレベルであり、これがMHD平衡・安定性や輸送に与える影響を明らかにすることは今後の課題である。 一方、誘導電流や大河電流などを考慮すると、ブートストラップ電流を性格に解析するにはプラズマ電流のダイナミクスを調べる必要がある。このため三次元MHD平衡とコンシステントなプラズマ電流の時間発展シミュレーションコードを開発した。このコードを用いることにより、ヘリカル系プラズマやリップルトカマクにおけるプラズマ電流のダイナミクスとブートストラップ電流の解析が可能となった。実際の実験との比較検討が今後の課題である。
|
Research Products
(3 results)