2006 Fiscal Year Annual Research Report
スーパー軽水炉の燃料挙動解析および燃料健全性基準の合理化
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17560741
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
石渡 祐樹 東京大学, 大学院工学系研究科, 助手 (10334319)
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Keywords | スーパー軽水炉 / 燃料挙動解析 / 通常時運転時のふるまい / 異常過渡時のふるまい / 機械的強度要求 / 燃料健全性基準 |
Research Abstract |
本研究の目的は、スーパー軽水炉(超臨界圧軽水炉)の燃焼や過渡変化に伴う詳細な燃料挙動解析を行い、その特徴をふまえた合理的な燃料健全性基準を開発することである。 平成18年度はまず、通常運転時に燃料被覆管に期待される機械的強度要求およびその低減方法について検討した。具体的には、最高温度位置での被覆管円周方向応力を様々な燃料棒設計に対して評価した。燃料棒内圧を冷却材圧力以下に制限する場合は、初期加圧量とFPガス放出率を比較的低く抑える必要がある。そのためにはペレット初期粒径を大きくギャップを小さくするのが効果的だが、逆にPCMI圧力は増加する。燃料棒の内圧高を許容すると初期加圧量とFPガス放出率を比較的高くとれるため、初期の圧縮応力および末期のPCMI圧力を低減できる。ガスプレナムを下部に設置するとガスプレナム温度が低くなり内圧上昇量を低減できるため、上部設置に比べて初期加圧量とFPガス放出率を高くとれ、応力が低減する。ガスプレナム体積比増加も類似の効果があるが、上部設置から下部設置への変更に比べて応力低減量は小さい。このように、被覆管への機械的強度要求は設計で大幅に低減できる可能性があることを示した。 次に、先行研究の安全解析結果を包含するような過出力型・冷却低下型の異常過渡変化を想定した燃料解析を行い、燃料健全性基準の考え方をまとめ、基準の一例を提案した。過出力型で支配的な破損モードは燃料ペレットのスウェリングによるPCMIがひき起す被覆管の塑性歪だと考えられる。これを防止するために、燃料ペレットの溶融防止と被覆管の塑性歪防止のための許容最高出力を求めた。冷却低下型で支配的な破損モードは被覆管の外圧座屈だと考えられる。これを防止するために必要な被覆管厚さと許容最高温度の関係についてまとめた。
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Research Products
(2 results)