2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560754
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Research Institution | Niigata Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉本 康文 新潟工科大学, 工学部, 教授 (90167023)
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Keywords | ディーゼル機関 / 代替燃料 / バイオディーゼル燃料 / 脂肪酸メチル組成 / 再生可能資源 / 原料油種 / 機関性能 / 燃焼特性 |
Research Abstract |
植物油をメタノールとエステル交換反応を行わせて得られる燃料は"バイオディーゼル燃料"(以下BDFと略記)と称され、西欧諸国を中心に自動車用燃料としての実用化が進行している。BDFの原料として、西欧では菜種油、米国では大豆油のいずれも新油が用いられているが、わが国では廃食油を回収して使用せざるを得ない。この場合には原料である植物油の違いによって改質後の脂肪酸メチル組成は異なることから、その影響度合を明らかにしておく必要がある。本年度は、未使用の菜種油、大豆油、パーム油から作製したBDFを用いて研究を行い、以下の結果を得た。 1.燃料特性の実測:前年度に導入した熱量測定装置(設備備品)を用いて分析を行った結果、原料油種の違いが発熱量に及ぼす影響は非常に小さいことが明らかとなった。作製した3種のBDFに対して脂肪酸メチル組成の分析を行った結果、原料油種と脂肪酸メチル組成との間の関係を定量的に把握することができた。また、ガスクロ蒸留試験を実施した結果、原料油が異なるBDFの蒸発特性の差異が明らかとなった。 2.ディーゼル機関性能の調査:原料油が異なるBDFの正味熱消費率は基準燃料である軽油と同等であり、いずれも軽油に比べ黒煙濃度が顕著に低減する一方、NOx濃度が増加した。燃焼解析を行った結果、パーム油BDFでは軽油に比べ予混合燃焼のピーク値は顕著に低下したが、この要因として、パルミチン酸メチルの着火性が良好であることが起因しているものと考えられた。 3.体積弾性率の検討:菜種油BDFの主成分であるオレイン酸メチル(試薬)を用い、燃料圧力40MPaの範囲内における圧力波伝播速度を実測した。この測定値をもとに、体積弾性率を推定、評価した結果、軽油に比べ約7%増加することがわかった。
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Research Products
(2 results)