2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17570007
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
駒野 照弥 首都大学東京, 都市教養学部理工学系, 教授 (00087131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 伸久 首都大学東京, 都市教養学部理工学系, 助手 (50244413)
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Keywords | 遺伝学 / 細菌 / IncI1プラスミドR64 / 接合伝達 / シャフロン |
Research Abstract |
IncI1プラスミドR64の54kbの接合伝達領域は、49個の遺伝子を含む。そのうち24遺伝子が表面接合伝達に必須であり、液内接合伝達にはさらにIV型線毛をコードする12個のpil遺伝子が必要である。IV型線毛の先端に局在するPilVアドヘシンのC末部はシャフロンのDNA多重逆位により7種に変換する。 1、R64のプレピリンペプチダーゼをコードするpilU遺伝子の42株の突然変異株を分離し、PilUの構造と機能の関係を明らかにするとともに、PilUがアスパラギン酸ペプチダーゼであることを証明した。phoA、lacZとの融合遺伝子の酵素活性を測定した結果、PilUの数回のトランスメンブラン領域を含む複雑な膜トポロジーが示された。 2、R64シャフロンのsfx組換え配列は非対称であるが、対称組換え配列を作成すると、C末欠失Rciでも組換えが起きる。この系を用いた実験から、接合伝達遺伝子群発現の正の調節遺伝子TraCがRciのC末部に作用することにより、シャフロン組み換えの頻度を負に調節していることが示唆された。 3、シャフロンにより調節される7種PilVアドヘシンの発現は一定ではなく、平衡状態ではPilVA、PilVA'の発現が高い。sfx配列の保存されていない左アーム配列がこの現象の原因になっている可能性が示された。 4、R64の接合伝達はNikABタンパクによるoriTへの特異的ニック導入により開始される。oriT結合タンパクNikAのNMR解析を行った結果、NikAのアミノ末端側51残基の領域がリボン-ヘリックス-リボン(RHH)構造を形成していることが明らかとなった。RHH構造中のβ-sheet部分のアミノ酸置換変異の解析から、21番目のArg残基がDNAの配列特異的認識に関与することが示唆された。
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Research Products
(2 results)