2005 Fiscal Year Annual Research Report
遷移初期における生物学的侵入とスケール依存性環境の相互作用
Project/Area Number |
17570011
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
露崎 史朗 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 助教授 (10222142)
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Keywords | 植生遷移 / 生物学的侵入 / 菌根菌 / スケール依存性環境要因 / 永久調査区 / 攪乱 / 標高勾配 / 定着促進効果 |
Research Abstract |
生物学的侵入(biological invasion)は、非自生生物が人為により移入されその生態系に定着することを指す。特に、攪乱の強い遷移初期において生物学的侵入は顕著であり、その侵入機構には、微地形から景観レベルまで様々なスケールに依存する生物的・非生物的要因が階層的に関与している。本研究は、生物学的侵入が顕著である渡島駒ケ岳と、それに近接するが生物学的侵入が検出できない有珠山において、比較研究を行ない、スケール依存性環境要因とその相互作用、生物学的侵入種および在来種の生育特性を解明することを目的に行なっている。本年度の研究における論文に公表した主な成果は(1)-(4)の通り。 1)駒ケ岳1996年噴火被害地においては、有珠山と同様に、有性繁殖よりも栄養繁殖の方が植物群集回復に寄与している。 2)菌根菌の定着は、標高勾配あるいは窒素勾配に沿って変化する種が存在する。これまで、内生菌根の発達が報告されていない数種から、内生菌根菌の定着を確認した。 3)ススキ群集の発達は、木本植物の侵入を予測する上での指標となる可能性がある。 4)生物学的侵入種は実生段階において、強風・土壌乾燥・貧栄養などの様々な攪乱やストレスに対応して、在来種よりも高い可塑性を示すことにより生存率が高い。 現在、これらの成果をもとに、スケール間の相互作用(トップダウン-ボトムアップ効果)を解析中である。本科研費によりウェザーステーションを購入し、駒ケ岳の3標高に設置し、気象観測を開始た。これらの測定データを組み合わせ、土壌湿度・微地形等の環境と種子分散・発芽・定着・成長過程でのスケール別の相互作用を定量化する予定である。
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Research Products
(4 results)