2005 Fiscal Year Annual Research Report
真の系統樹を用いたマメゾウムシ実験個体群の競争様式の系統間比較
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17570014
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
徳永 幸彦 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教授 (90237074)
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Keywords | ヨツモンマメゾウムシ / アズキゾウムシ / DNAマイクロサテライト / 競争様式 / 発育速度 / 黒化型 |
Research Abstract |
1.ヨツモンマメゾウムシ用のDNAマイクロサテライトのプライマーの作成 京都産業大の寺地徹氏の好意により、指導学生2名を10日間ほどのDNA抽出および一連の実験操作のための研修に派遣した(依頼出張理由)。その結果、ヨツモンマメゾウムシとアズキゾウムシの両方について、RAPDによる多型は容易に確認されたが、既存のDNAマイクロサテライトマーカーによる多型の確認には至らなかった。 2.導出された系列についての飛ぶ型/飛ばない型の判定と、関連形質の遺伝解析 ヨツモンマメゾウムシにおける競争様式と発育速度の間には、見かけ上負の相関が存在する。ヨツモンマメゾウムシのhQ系統から導出された様々な系列のうち、極端な勝ち抜き型と共倒れ型を示す2系列間で掛け合わせをすることにより、競争様式と発育速度の遺伝様式を調べた。その結果、競争様式の遺伝様式は既知の結果からも明らかな通り、ほぼ線形の遺伝分散で表現できるのに対し、発育速度の遺伝様式は典型的は雑種強勢を示した。よって、ヨツモンマメゾウムシにおける競争様式は、単純に時間をかけて生育した大型個体が干渉競争をすることで勝ち抜き型になっているわけではないことが示唆された(真野et al. JES53で発表予定)。 3.黒化型突然変異系列の生理学的特性の特定 飛ぶ型/飛ばない型を左右する幼若ホルモンを、黒化型系列の終齢幼虫に注入したところ、黒化型の消失を確認した。
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