2006 Fiscal Year Annual Research Report
真の系統樹を用いたマメゾウムシ実験個体群の競争様式の系統間比較
Project/Area Number |
17570014
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
徳永 幸彦 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 助教授 (90237074)
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Keywords | ヨツモンマメゾウムシ / RAPD / 壁作り / 干渉 / 黒化型 |
Research Abstract |
1.ヨツモンマメゾウムシ用のDNAマイクロサテライトのプライマーの作成 Acanthoselides属、およびZabrotes属で開発されていたDNAマイクロサテライトは、ヨツモンマメゾウムシではまったく使い物にならなかった。また、ヨツモンマメゾウムシのダイズの消化に関与する遺伝子のcDNAパターンを用いたプライマーも試してみたが、これもまったく使い物にならなかった。そこで、インド産のヨツモンマメゾウムシの外見形質の多型を検出することができると報告されている、2つのRAPDプライマーを用い、採集地域の違い、体色の違い・そして競争型の違いという3つの軸について、RAPDの変異を解析した。その結果、先行研究とは異なり、体色という外見形質の違いはこれらのRAPDプライマーでは区別することができなかったが、地域系統の違いは明瞭に区別することができた。また、競争型という行動形質も、ある程度この2つのRAPDマーカーで区別できることができた。現在上記結果をまとめ、投稿論文を準備中である。 2.導出された系列についての飛ぶ型/飛ばない型の判定と、関連形質の遺伝解析 上記遺伝マーカーの確立と、下記の壁形成の遺伝解析に時間を割いたため、この課題については解析を行わなかった。 3.壁作りと競争様式の関係の解明 マメ内部における幼虫間の干渉能力を温存しているヨツモンマメゾウムシが、共倒れ型の競争様式をとるためには、.何らかの形で干渉を緩和あるいは防止する手段が必要になる。幼虫の壁作り行動はまさにそのための至近要因として機能しており、さらに壁作りは地域系統間で変異があるだけでなく、1地域系統内に作り上げた競争型の多型をしめす系列間でも変異がみられた。加えて壁作り行動は、主に線形に遺伝することが明らかになった。これらの結果をMano and Toquenaga(2007)として発表した。
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Research Products
(2 results)