2007 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯雨林に分布するラワンの地下部バイオマスと根系の分布-菌根共生系の解明
Project/Area Number |
17570020
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
菊地 淳一 Nara University of Education, 教育学部, 准教授 (10379521)
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Keywords | フタバガキ / 根系 / 菌根 / 植生 / 熱帯雨林 |
Research Abstract |
東南アジアの熱帯雨林を構成する樹木の地上部バイオマスについては多くの調査が行われてきたが、根系についての調査例は少なく、特定の樹種の根系バイオマスの調査は皆無である。本研究ではインドネシア、スマトラ島中部のジャンビ州にあるガジャマダ大学演習林(年平均気温26度、降水量2600mm)において、優占するフタバガキ科に属するShorea parvifoliaの根系および菌根バイオマスの調査を行った。昨年度までに直径40cmまでの木については数本ずつのサンプルを終え、今年度は直径75cm、樹高40mの大木について、根系の約1/4量のサンプルを行った。このレベルの大きさの樹木の根系の堀り取り調査はこれまでにないが、この種の根系の成長や増加を考える際に必須である。昨年度、表層40cm程度の根については採取を終えていたので、より深い場所の根系の調査を行った。深いところでも根の範囲は最大で樹幹から22mの範囲に及んでおり、表層の28mよりは短かったが広い範囲に根系が及ぶことが確かめられた。深さについては主に80cm程度のところまでに多くの側根が分布していたが、一部の側根は樹幹から離れた場所でも深さ3mに達する垂下根を形成していた。直根の一部は垂下し、地下4mに達していた。樹幹から2〜3m程度の範囲には板根から多くの垂下根が発生し、3m以上の深さに伸びていた。この木の根系のおおよその乾重量は120kgと推定されたが、採取した根系の割合は板根の分布が不均一なため1/3〜1/4の間であり、推定方法によって異なる。菌根の分布は採取場所により大きくばらつき数g/m2以上の場所もあればその数十分の1以下の場所もあったが、全体として数百gを超えない程度と推定された。菌根菌の種類については、一部のサンプルからDNAの抽出に成功し、ベニタケ属等の菌根菌の生育が確認された。
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Research Products
(1 results)