2006 Fiscal Year Annual Research Report
マメ科植物共生窒素固定系成立に関する宿主植物側因子の解明
Project/Area Number |
17570044
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
梅原 洋佐 独立行政法人農業生物資源研究所, 植物科学研究領域植物・微生物相互作用研究ユニット, 主任研究員 (00391558)
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Keywords | マメ科植物 / 共生窒素固定 / 根粒菌 / fix-変異体 / ミヤコグサ |
Research Abstract |
マメ科植物と根粒菌の共生窒素固定は、農業上重要な役割を果たしており、その有効利用は持続的農業技術開発の中心的課題の一つである。このため、共生窒素固定系成立・維持の分子機構を明らかにすることが重要である。近年、マメ科モデル植物ミヤコグサやタルウマゴヤシの共生変異体を用いた分子遺伝学的研究により根粒菌感染初期過程に関わる植物側因子が明らかにされつつあるが、感染から宿主細胞内への侵入、共生窒素固定系成立とその活性維持に至る後期過程の解明はこれからの課題である。本課題では、ミヤコグサ有効根粒形成不全(Fix-)変異体Ljsym102を用いて、未解明な後期過程に関わる植物側因子を明らかにする。本年度は、原因遺伝子単離に向けた高精度マッピングと遺伝子領域をカバーするDNAクローンのコンティグ作成を行った。 Ljsym102は劣性単一遺伝子支配であり、根粒菌感染により根粒形成は誘導されるが、ピンク色を示さず、ニトロゲナーゼ活性が非常に低い、Fix-変異体である。今年度はイオンビーム照射系統から新たに1系統のアリルを見いだすとともに、そのほかアリルの候補変異体を1系統単離した。MiyakojimaとのF2植物1457個体を解析した結果、原因遺伝子は昨年度推定した領域とは異なり、第1染色体TM0671(8.8cM)とTM0349(11.3cM)間に存在すると考えられた。近傍組み換え個体の遺伝子型から、原因遺伝子はTM0349側に近い領域に存在すると思われたので、南側からTACクローンのウォーキングを開始し、TM0349マーカー北側TACクローン1つ分の距離に組み換え無しのDNAマーカーをみいだした。現在、遺伝子座乗領域をカバーするため、そのDNAマーカーからさらに北側のTAC/BACクローンの単離を試みている。
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