2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17570046
|
Research Institution | RIKEN |
Principal Investigator |
小林 正智 独立行政法人理化学研究所, 実験植物開発室, 室長 (80178334)
|
Keywords | ジベレリン / 生合成酵素 / 変異タンパク / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
ジベレリン3β酵素は植物の伸長や開花を制御する植物ホルモン、ジベレリンの活性化の最終段階を触媒する重要な役割を持つ酵素である。ジベレリン3β水酸化酵素は2-オキソグルタル酸要求性酸素添加酵素に属し、そのC末側には参加反応を触媒するドメインが存在するが、N末側の機能、特にファミリーの間で高度に保存されているMWSEGFTモチーフの機能については活性発現に必須であると予想はされていたが未解明であった。平成17年度の解析ではこのモチーフが活性発現に関わっている可能性を検証するため、シロイヌナズナの3β水酸化酵素遺伝子、AtGA3ox-1(GA4遺伝子)を研究材料として、モチーフの中でも特に保存性の高いメチオニン、及びトリプトファンをアラニンに置換した変異タンパクを作成し酵素活性を評価したところ、いずれの変異タンパクにおいても当初の予想に反して酵素活性が認められた。そこで平成18年度はまずこれらの変異タンパクの活性について新たに調製しなおしたタンパクを用いて再検証を行なった。その結果、やはりいずれの変異タンパクも野生型のタンパクと同等の活性を示し、このモチーフは酵素活性そのものには関わっていないことが示唆された。そこでこのモチーフが他のタンパク等との相互作用、あるいは細胞内の活性発現場所に局在するために必要である可能性を想定し、変異タンパク遺伝子を導入した形質転換シロイヌナズナを作成した。T1植物体を栽培し系統化を試みるとともに、その表現型について解析を行なったが、成長過程においてジベレリン生合成機能が原因とみられる表現型の変化は認められず、本モチーフがin vivoでの機能発現に関わっている可能性が示唆された。本研究の成果をもとにした将来の展開として、本研究で作成した形質転換シロイヌナズナを用い、目的としたモチーフの機能を解明することを試みたい。
|