2005 Fiscal Year Annual Research Report
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17570050
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高橋 純夫 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (90144807)
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Keywords | メラノコルチン / メラノコルチン受容体 / ラット / マウス / 副腎皮質ホルモン / 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン / プロモーター解析 |
Research Abstract |
α-メラノサイト刺激ホルモン(α-MSH)、β-MSH、γ-MSHおよび副腎皮質刺激ホルモンは、プロオピオメラノコルチン(POMC)を前駆体とするホルモンで、メラノコルチンと総称される。POMC遺伝子は、下垂体のみならず、様々な組織において発現しているが、POMC遺伝子の組織特異的転写制御機構は一部を除いて解明がなされていない。さらに、メラノコルチン受容体の遺伝子発現の制御機構は未解明な点が多い。POMC遺伝子の組織特異的な発現制御機構を解明するためにラットPOMC遺伝子プロモーターの解析を行った。その結果、POMC遺伝子の転写活性の維持には、POMCプロモーターに存在するTpit結合配列が関与することが示唆された。また、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンによるPOMC遺伝子の転写の亢進には、NurRE配列が関与することが示唆された。さらに、副腎皮質ホルモンによるPOMC遺伝子の転写抑制効果は、POMCプロモーターに存在するTpit結合配列が関与することが示唆された。ついで、メラノコルチン受容体のサブタイプのメラノコルチン3受容体(MC3R)の遺伝子のプロモーター解析を行った。その結果、MC3R遺伝子プロモーターの-1281/-524領域に、転写活性に対して促進的に働く配列があること、及び-524/-227領域に抑制的に働く配列があることが判った。また、CRE配列が2箇所(-1584bpと-1379bp)存在する-1919/+109を含むコンストラクトを用いてcAMPで刺激しても、プロモーター活性に変化はなく、またCRE配列に点変異をもつコンストラクトをcAMPで刺激しても、同様に変化はみられなかった。このことは、プロモーター領域内の2つのCRE配列が機能していないことを示唆し、cAMPはMC3R遺伝子の転写制御には直接は関与しないことが考えられた。
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