2005 Fiscal Year Annual Research Report
硬骨魚の光感受性色素胞における光受容分子と共役Gタンパク質の解析
Project/Area Number |
17570068
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
大島 範子 東邦大学, 理学部, 教授 (70057735)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩室 祥一 東邦大学, 理学部, 助教授 (70221794)
|
Keywords | 光感受性色素胞 / 視物質 / ナイルティラピア赤色素胞 / ネオンテトラ虹色素胞 / Gタンパク質 / cAMP / cGMP |
Research Abstract |
1.PCRにより、ナイルティラピア赤色素胞の存在する皮膚に、目と同じ錐体赤、錐体緑のオプシンmRNAが発現していることがわかった。これらのオプシンは各々、600nm光での色素顆粒凝集と500nm光での拡散に関与するものと推測される。また、ネオンテトラ虹色素胞の光感受性について細胞レベルで検討した結果、500nm付近の光が最も効果的に、反射波長光を長波長側にシフトさせることが明らかとなった。ネオンテトラの視物質についてはこれまで全く情報がなかったので、まず目に発現するオプシン遺伝子を調べ、ロドプシン、錐体緑(2タイプ存在)、錐体赤の遺伝子の塩基配列を決めた。虹色素胞の存在する皮膚でも、錐体緑とロドプシン遺伝子が発現することがわかり、特に錐体緑の2タイプがより強く発現していることが判明した。 2.決定したネオンテトラロドプシンの塩基配列に基づきモノクローナル抗体を作製した。虹色素胞における発現部位を確かめたが、発現量が少ないためか明確な結果が得られておらず、引続き検討する。また他のオプシンの抗体も作製中である。 3.ノーザンブロット法、in situ hybridizationによる検討は進行中で、来年度に継続する。 4.細胞内情報伝達に関与する酵素の阻害剤や活性剤、膜透過性のcAMPとcGMPのアナログを用いての実験により、ナイルティラピア赤色素胞、ネオンテトラ虹色素胞の両者において、サイクリックAMPの濃度増減が光誘起の反応に関わっている可能性が示唆された。また細菌毒素を用いて、ナイルティラピア赤色素胞ではGiとGsが関与し、Gtは関与しないことを示した。 5.Gタンパク質の発現を遺伝子レベルで調べたところ、ネオンテトラ虹色素胞の存在する皮膚にGtのmRNAが発現することを確認した。ナイルティラピア赤色素胞ではGtの発現は認められなかった。
|