2005 Fiscal Year Annual Research Report
ユウスゲとカミソニア リフラクタの開花習性特性の適応進化と繁殖特性
Project/Area Number |
17570080
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野口 順子 京都大学, 大学院理学研究科, 助手 (80180719)
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Keywords | 適応進化 / 開花習性 / 植物 / 繁殖特性 |
Research Abstract |
カリフォルニアMojave砂漠に生育するカミソニア リフラクタの開花習性特性に関する2004年、2005年の調査結果に基づいて解析を行った。その結果、第1花の開花日、個体の寿命、花の寿命、日中における花の開く程度、個体のサイズ、花の大きさに淘汰が作用していること、また、第1花の開花日、個体のサイズ、花の大きさには分断選択が働いていることが明らかとなった。この分断選択・淘汰の有無と強さは、生育地の微環境の違いによって、時・空間的に異なること、そして、幼虫による食害と乾燥は淘汰が作用する主要な要因と推察された。データ量が大きかったため、解析に予定を遥かに超えた膨大な労力と時間が要してしまった。近く、これらのことをまとめた論文を雑誌に投稿する予定である。 カリフォルニアで調査した個体の種子を均一の環境下に育て、上記の開花習性特性の各形質の遺伝率を算定するための栽培実験を行っている。当初栽培実験を予定していたグロスチェンバーが実験条件に合わないことが分かったため、空室を利用し、メタルハライドランプを使用した栽培室を新たに作成した。予備実験として、インキュベーター(人工気象室)を用いてカミソニアリフラクタの種子が発芽する条件を調べた。当初、種子がなかなか発芽せず、発芽してもその発芽率は非常に低く、発芽条件を把握するのに苦労した。現在、発芽条件をほぼ捉え、その条件で高い発芽率を得ることができるかどうかを確認している。発芽した種子は鉢に移植した。今後、花が咲くのを待ち、各形質を測定し、各形質の遺伝率を算定するための交配を行う予定である。
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