2006 Fiscal Year Annual Research Report
連鎖不平衡解析による細胞外・細胞膜分子間の相互作用の検出と種間比較
Project/Area Number |
17570087
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
高野 敏行 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 助教授 (90202150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪股 伸幸 九州大学, 大学院理学研究院, 助手 (20301335)
渡邊 豊 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 博士研究員 (90419854)
高橋 一男 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 博士研究員 (10450199)
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Keywords | 連鎖不平衡 / 遺伝子間相互作用 / ショウジョウバエ / 化学受容体タンパク質 / 自然淘汰 |
Research Abstract |
有害突然変異率はヒトなどの生物種では1を超えるほど高いと推定されているが、有害効果に相乗的相互作用があれば有害突然変異が集団に及ぼす影響を軽減することができる。逆に、相乗作用の存在を同定できれば、遺伝子間の機能関連を発見することも可能であることを意味している。本研究では相乗作用の存在を検証し、機能関連する遺伝子群を同定することを目的に、ショウジョウバエの細胞膜タンパク質遺伝子に対し解析を行なっている。これまでは単純な連鎖不平衡解析を中心に行なってきたが、本年度はより有効に淘汰、機能関連を検出するための新たな手法の開発を行なった。これは特定のハプロタイプに着目し、ハプロタイプに基づく遺伝子型により個体を分類し、異なる遺伝子型間で変異量を比較するものである。比較量は対立遺伝子頻度、ハプロタイプ頻度、ハプロタイプ数、連鎖不平衡量、その他定量化できるものなら全て可能である。こうした変異量の遺伝子型間の差は通常の統計検定、あるいはパーミュテーション法によって検定する。この手法は、現在働いている、1世代の淘汰の効果を検出するもので、過去の突然変異の蓄積に基づくこれまでの手法とは一線を画する。こうして検出された淘汰から、問題とする変異が現在の環境条件と遺伝的背景のもとで機能的な効果を持っていると結論できる。実際に、この手法をショウジョウバエの多型的逆位とX染色体上の化学受容体遺伝子に応用し、有意な結果を得た。これまで強い淘汰は稀であると予想され、現在進行中の淘汰を検出することは非常に困難と考えられてきた。一方でこうした予見のために検出法の開発が遅れていたことも確かである。今回の結果は強い淘汰がこれまで考えられてきた以上に頻繁に働いている可能性を示唆する。
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Research Products
(1 results)