2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17570094
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
角田 佳充 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (00314360)
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Keywords | 硫酸転移酵素 / X線結晶構造解析 / 構造生物学 |
Research Abstract |
結核菌ゲノムから、硫酸転移酵素と予想されるSTF1蛋白質のクローニング、大腸菌によるリコンビナントタンパク質の大量発現系の確立、大量精製を行った。合計20L程度の大腸菌の培養を行い、当たり20mgの精製蛋白質を得ることができた。この蛋白質を用いて様々な蛋白質条件のサンプルを作成し、それぞれ約800条件の結晶化スクリーニングを行った結果、2種類の条件でSTF1結晶を得ることができた。これらの結晶について、X線回折実験を行った結果、分解能1.5オングストロームという高分解能の回折データを収集することができた。又、構造解析における位相情報収集の為に、水銀及び臭素置換体結晶の作成を行った。異常分散効果を含めた重原子同型置換法による位相計算を行ったところ、立体構造決定に十分な電子密度マップを得ることができた。最終的に分解能1.5オングストロームという高分解能での立体構造決定に成功した。 STF1の立体構造を、すでに立体構造が明らかとなっている他の硫酸転移酵素と比較したところ、硫酸基供与体PAPS結合部位周辺の立体構造は、ほぼ同様のものであった。主鎖のフォールドが似ているだけでなく、PAPS認識に関わる測鎖の配置とコンフォメーションも保存されていた。このことは、STF1が硫酸転移酵素であることを強く示唆する結果である。又、基質結合部位と予想される領域は、疎水性が高い溝状の構造をしており、糖脂質や糖を結合するのに適切な構造であると考えられる。現在、本酵素の基質を立体構造情報からと、通常の活性測定の両面から検索している。
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