2005 Fiscal Year Annual Research Report
酵母HOG経路活性化を制御するSsklの分子スイッチとしての役割とその分子機構
Project/Area Number |
17570105
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
舘林 和夫 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50272498)
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Keywords | 高浸透圧 / 出芽酵母 / HOG経路 / リン酸化 / Ssk1 / Ssk2 / Ssk22 |
Research Abstract |
出芽酵母の高浸透圧応答HOG MAPK経路は2つの高浸透圧センサーからなる独立した上流経路をもつ。ヒスチジンキナーゼ活性をもつ高浸透圧センサーのSln1からYpd1、Ssk1へとリン酸リレーが起き、Ssk1は通常不活性型と考えられるリン酸化状態にあり、高浸透圧条件下でSln1からのリン酸リレー反応が停止すると非リン酸化型となったSsk1は活性化し、Ssk2/Ssk22MAPKKKを活性化する。本研究では不活性型と考えられていたリン酸化型Ssk1が、非高浸透圧条件下ではSsk2活性化を抑える抑制因子として機能する可能性を検討し、以下の結果を得た。 1)非高浸透圧条件下でもSsk2を活性化する構成的活性型Ssk1変異体を単離し、多くがリン酸化部位やYpd1との結合部位の変異により構成的に非リン酸化状態にあることを明らかにした。 2)構成的活性型Ssk1変異によるSsk2活性化は、野生型Ssk1を高発現させると抑制された。 3)Ssk2活性化に必須なSsk2のN末領域にあるSsk1結合部位を同定した。さらにSsk1の構成的活性型とは結合するが野生型とは結合しないSsk2の欠失変異を見いだした。構成的活性型Ssk1により活性化されたこのSsk2欠失変異体に対し、野生型Ssk1は結合できないにもかかわらず構成的活性化を抑制した。 4)Ssk2活性化を抑制するドミナント・ネガティブSsk1変異体を単離したが、この中でSsk2と結合できない変異が存在した。 したがって、リン酸化状態にあるSsk1はSsk2の活性化を抑制する機能を有しており、またこの抑制機構にはリン酸化型Ssk1とSsk2との結合は必ずしも必要でないと考えられた。
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Research Products
(1 results)