2005 Fiscal Year Annual Research Report
ハエ培養細胞での高効率RNAi法を用いたWnt経路構成遺伝子のゲノムワイド解析
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17570111
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柳川 伸一 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (70183978)
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Keywords | RNAi / Wnt / Wingless / シグナル伝達 / ゲノム / 培養細胞 / Reporter Assay |
Research Abstract |
研究目的 Wnt/Wingless(Wg)のCanonicalシグナル伝達経路は動物の発生、形態形成そして癌の発生にも関わっている。一方S2R+,KcなどのDrosophila培養細胞では、長鎖のdsRNAでも特異的で高効率なRNAiを実施できる。本研究では、このRNAi実験系を用いてWgシグナル伝達経路の構成遺伝子を網羅的に洗い出しす事を目的としている。 モデルスクリーニングの実際と新規Wg経路のモジュレーター遺伝子の同定 Wg経路の活性を計測するに、heat shock promoterの下流にD-Tcf転写因子の結合モチーフを12個導入したFirefly Luciferase reporter plasmidを作成した。また、Pol-III promoterによりRenilla Luciferaseを発現させるplasmidをinternal controlとした。Wg刺激によりFirefly Luciferase活性は1500倍上昇し、この系が極めて広いダイナミックレンジを持つWg signaling assay系である事が明らかになった。さらにS2R+細胞に、Wg経路の構成員の発現plasmidと各種のdsRNAを96 well plateスケールでCo-transfectionする事により、当該dsRNAに対応する遺伝子のWg経路への効果とその作動する位置を評価できる事が分かった。その結果、SUMO conjugating enzyme,Ubc9が、Wg経路の負の制御因子として新たに同定された。Ubc9のRNAiはWg経路の正の制御因子Dishevelledによ利誘導されたTcf reporter活性を阻害したが、ArmadilloによるTcf reporter活性の上昇を抑制できなかった。このことより、Ubc9作用点はDishevelledの下流でなおかつArmadilloの上流であると結論した。
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