2006 Fiscal Year Annual Research Report
時計遺伝子の転写因子NPAS2の光以外の環境因子による制御メカニズムの解析
Project/Area Number |
17570118
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
佐上 郁子 京都府立大学, 農学研究科, 教授 (10143033)
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Keywords | 時計遺伝子 / ヘムタンパク質 / ガスセンサー / 転写因子 / ゲルシフトアッセイ / NADPH / PASタンパク質 |
Research Abstract |
(1)NPAS2とBMAL1タンパク質のヘテロダイマー形成とDNA結合能の解析;時計遺伝子の転写因子NPAS2はBMAL1とヘテロダイマーを形成し、CryやPerなどの時計遺伝子の5 '上流に存在するE-boxに結合し、それらの遺伝子の転写を促進する。そこでまず精製した野生型NPAS2-bHLH/PASA、NPAS2-bHLH/PAS/PASBとBMAL1-bHLH/PASAを用いて、DNAへの結合能とヘテロダイマー形成能を調べるためのゲルシフトアッセイ系を開発した。NPAS2はBMAL1とヘテロダイマーを形成し、Per1遺伝子のプロモターに見られるカノニカルE-box配列(CACGTG)に特異的な結合活性を示した。一方、Per2遺伝子のプロモターに見られるE-box様配列(CACGTT)への結合は弱いものだった。(2)さらにNPAS2-bHLH/PASAのPASAドメインに変異を持つタンパク質の5種の変異体の大腸菌発現系を開発し、精製タンパク質を調整した。精製タンパク質を用いてDNA結合能を解析したところ、解析した変異体のうちヘムの軸配位子を変異させた変異体では、DNA結合活性が見られなかった。またそれは、BMAL1とのヘテロダイマー形成が阻害されたためであることが示唆された。さらに変異体のDNA結合活性は、ヘム鉄の酸化状態が3価でも2価でも、またアポ酵素でも同様であった。(3)NPAS2とBMAL1の転写活性制御のin vivo機能解析;NPAS2の転写因子としての活性を、ルシフェラーゼアッセイによって解析するために動物細胞系でのNPAS2とBMAL1の強制発現系とルシフェラーゼ遺伝子の上流にPer2のE-boxを挿入したreporter geneの構築を行い、転写活性をルシフェラーゼアッセイで解析する系を開発した。NPAS2のPASAドメインの各種の変異体の強制発現系を用いてマウスPer1、Per2遺伝子の転写活性を解析したところ、いずれの遺伝子の転写もヘム軸配位子の変異によって阻害された。
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[Journal Article] Spectroscopic and DNA-binding characterization of the isolated hemebound basic helix-loop-helix-PAS-A domain of neuronal PAS protein 2(NPAS2), a transcription activator protein asociated with circadian rhythms.2006
Author(s)
Mukaiyama Y, Uchida T, Sato E, Sasaki A, Sato Y, Igarashi J, Kurokawa H, Sagami I, Kitagawa T, Shimizu T.
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Journal Title
FEBS J. 273・11
Pages: 2528-2539