2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトDNA複製前複合体の無細胞系での部位特異的な再構築
Project/Area Number |
17570125
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
森山 賢治 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (00250217)
|
Keywords | 染色体複製 / 複製前複合体 / 無細胞系 / EBウィルス |
Research Abstract |
Epstein-Barrウィルスの潜伏感染期ゲノムDNAはウィルス由来のタンパク質EBNA-1の存在下で1細胞周期に1回複製され、その複製開始や進行は宿主由来の因子(Orc,Mcmなど)に依存していると考えられている。私は、EBウィルスのoriPを持つプラスミドをモデルレプリコンとしてin vitroでのヒトDNA複製反応系の構築を目指している。oriPに複製前複合体(pre-RC)が形成されるにはEBNA-1タンパク質がoriP上の特定配列(DSE)に結合することが必要不可欠である。oriPの複製にとって最低限必要なEBNA-1のドメインはMBP(maltose-binding protein)融合タンパク質として大腸菌での発現・取得に成功した。また、この融合タンパク質をヒト培養細胞に発現させると、oriPを有するプラスミドの複製が可能となった。そこで、大腸菌から精製した裸のoriPプラスミドにin vitroでヒトpreRCが形成されるか否かを調べるため、ヒトHeLa細胞から調製した濃い核抽出液と混合し、ショ糖密度勾配遠心法で分画した。上述の組換え体EBNA-1を併せて加えた場合と加えない場合とでヒトpreRC構成因子の挙動を比較すると、組換え体EBNA-1はoriPプラスミド添加によって沈降速度が増し、沈澱量も顕著に増加したので、ヒト核抽出液中でもoriPに対して強く結合することが示された。しかし、その一方、preRC構成因子であるOrc,Cdc6,Mcmについては、プラスミドの有無による挙動の相違は認められたものの、組換え体EBNA-1の有無によってその挙動が更に変化することは無かった。今後、Orc複合体やCdc6の過剰発現細胞の核抽出液や精製したMcm複合体等を用いてEBNA-1に依存したpreRC再構築を目指す。
|