2005 Fiscal Year Annual Research Report
世界最速である車軸藻ミオシンの酵素キネティクスの解析
Project/Area Number |
17570127
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
伊藤 光二 千葉大学, 理学部, 助手 (50302526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 啓一 千葉大学, 理学部, 教授 (70053361)
小嶋 寛明 情報通信研究機構, 関西先端研究センター, 主任研究員 (00359077)
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Keywords | ミオシン / モーター / アクチン / ストップドフロー装置 / 光ピンセット装置 |
Research Abstract |
車軸藻ミオシンは,骨格筋ミオシンの10倍以上の運動速度をもつ非常にユニークなモーターなので,ミオシンの運動機構を解明する上で,新たな知見が期待できるミオシンの有力候補である。たとえば,現在論争となっているtight coupling(化学エネルギーと力学ステップが一致する。レバーアームモデルが該当)かloose coupling(条件によっては化学サイクル1回につき,複数回の力学ステップがおこりえる。ブラウン運動駆動モデルが該当)かの問題についての検証となりうる可能性がある。つまり,ミオシンの運動速度はd/t_s(dは1回のATP加水分解あたりアクチン繊維を動かす変位,t_sはアクチンとの強い結合時間)で近似されるので,車軸藻ミオシンのように速いミオシンはtight couplingから予想されるようにt_sがとても小さい可能性とloose coupling(ブラウン運動駆動モデル)から期待されるようにdがかなり大きい可能性が考えられる。これはストップドフロー法によってt_sを計測し,光ピンセットによる1分子計測によりdを計測することによりどちらであるかを検証する。現在のところt_ssが0.7msということがわかった。これはすべてのミオシンの中で最も短い。つまり速い速度の原因の1つはt_sが短いということがわかった(論文投稿中)。またdについては,条件を変えて測定系の改良につとめている。今年度ちゅうには判明する予定である。
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