2005 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白分子内構造制御によるアミロイド線維形成機構の解明
Project/Area Number |
17570132
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
橘 秀樹 神戸大学, 理学部, 助教授 (70126118)
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Keywords | 蛋白質 / アミロイド / ジスルフィド / リゾチーム / 核形成 / ベータシート / H-D交換 |
Research Abstract |
1.アミロイド線維形成の基本過程 (1)ジスルフィド結合をすべて欠損させたリゾチーム変異体(OSS)はアミロイドprotofibril様線維をつくる。その形成反応速度は塩濃度の上昇、pHの上昇に伴い増加し、蛋白の持つ正電荷による反発が会合を遅くしていることがわかった。一方、NMR検出H-D交換法により、線維中で分子間ベータシート構造をとっているポリペプチド領域が4箇所同定された。それらは高い疎水性ならびにベータ構造形成傾向の両者を示す領域であり、うち3箇所はWTリゾチーム単量体ではアルファ構造をとっている領域であった。蛋白のイントリンジックな蛍光測定から、線維中でトリプトファン残基は疎水環境にあり、量子収率が大きく上昇していることがわかった。 (2)Size exclusion HPLC法で見た会合反応速度の蛋白濃度依存性より、会合反応は核形成-伸長反応スキームに合致すること、臨界モノマー濃度が存在すること、核のサイズは塩濃度やpHに依存することがわかった。 2.蛋白質内部分構造のアミロイド線維形成への影響 さまざまな分子内構造を持つ4分子種のリゾチーム1SS変異体の会合体形成反応の解析より、N末端とC末端部位の接近は線維形成を2桁遅くすること、一方、それと対照的に、残基30部位と115部位の接近ならびに残基64部位と80部位の接近は線維形成を1桁近く速くすることがわかった。すなわち、protofibril様線維の形成にはN末端領域とC末端領域が離れることが重要である。
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Research Products
(6 results)