2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17570133
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
今元 泰 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (80263200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 幹雄 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (30150254)
上久保 裕生 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (20311128)
山崎 洋一 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (40332770)
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Keywords | π…π相互作用 / CH…π相互作用 / CH…O相互作用 / 水素結合 / 疎水的相互作用 / 光受容蛋白質 / 構造変化 / 光反応 |
Research Abstract |
紅色光合成細菌の光センサー蛋白質・PYPの光による構造変化は、発色団の異性化に始まり、最終的にN末端部の変化にいたる。PYPの暗状態の結晶構造から、弱い相互作用を考慮して発色団とN末端ループを含む相互作用を考えると、発色団からN末端部のPhe6までがつながっていることが示唆される。すなわち、発色団→Glu46の水素結合、Glu46→Va1122のCH-0相互作用、Va1122→Lys123の共有結合、Lys123→Phe6のCH-π相互作用である。また、PYPの発色団は、芳香族アミノ酸を中心とした疎水クラスターに取り囲まれているので、π電子を利用したCH-π、あるいはπ-π相互作用の重要性が示唆される。しかし、これらの相互作用はOH-0、あるいはNH-0水素結合に比べて非常に弱いため、実際の蛋白質の中での重要性は疑問視されている。そこで、これらの相互作用に関与する残基を置換した変異PYPを作成し、その構造や光反応を解析して弱い相互作用の役割を検討した。 本年度は6位と123位に着目して変異体を作成した。Kl23A、K123L、K123E変異体の性質を比較したところ、アルキル鎖を持たないK123Aは本来の黄色を呈しなかったが、他の変異体では側鎖の電気的な性質に関わらず野生型と同じ性質を示した。また、F6A、F6D、F6H、F6L、F6Y変異体の性質を比較したところ、芳香環を持つF6Yのみが野生型と同じ性質を示した。K123と水素結合が可能なF6D、疎水的相互作用が期待できるF6LでもPYP本来の性質を持たなかったことから、Phe6とLys123問のCH-π相互作用が、PYPの性質を規定していることが示された。
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Research Products
(6 results)