2006 Fiscal Year Annual Research Report
中心体/紡錘極体構成因子の細胞周期依存的ダイナミクス
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17570139
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田仲 加代子 東京大学, 大学院理学系研究科, 講師 (80345264)
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Keywords | 中心体 / 紡錘極体 / 減数分裂 / 微小管 / 細胞周期 |
Research Abstract |
分裂酵母の減数分裂前期過程が開始すると、紡錘極体(SPB)から放射状に伸びたダイナミックな星状微小管(astral microtubule)が形成され、核融合やホーステール核運動を司り、効率の良い減数分裂組換えを促進する。減数分裂前期の終了に伴って星状微小管構造は解体し、減数第一分裂の開始と共にスピンドル形成が行われる。昨年度までに減数分裂前期に特異的に発現しているSPB因子Hrs1/Mcp6が、γ-Tubulin Complex(γ-TuC)構成因子のAlp4、γ-TuC複合体因子で体細胞分裂中の星状微小管形成に必須であるMod20/Mto1、SPB因子のKms1,そしてHrs1自身と相互作用することによって、この星状微小管構造の安定な形成に寄与すること、またHrs1が発現する,ことが星状微小管構造の構築に必要かつ十分であることを示した。 Hrs1は、星状微小管構造が解消するのと時期を同じくして減数第一分裂開始前に速やかに消失する。このHrs1の時期特異的な消失の生理的意義を明らかにするため、減数第一分裂開始後もSPBに留まる変異型Hrs1(Hrs1.d10)を作製し、その表現型を観察した。Hrs1.d10を発現している細胞では、スムーズなスピンドル形成が阻害され、ホーステール核運動終了時から減数第一分裂prophaseの開始に至る時間が長くなっていた。また形成されたスピンドルのanaphaseへの移行が遅延している場合も観察された。これらの結果は、減数第一分裂開始前のHrs1の迅速な消失が、減数第一分裂のbipolarスピンドル形成に必要である可能性を示唆しており、Hrs1の発現と消失が時期特異的に行われることが減数分裂期の精密な微小管制御に不可欠であることが明らかになった。
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[Journal Article] Selective elimination of messenger RNA prevents an incidence of untimely meiosis2006
Author(s)
Harigaya, H., Tanaka, S., Yamanaka, K., Tanaka, K., Watanabe, Y., Tsutsumi, Y., Chikashige, Y., Hiraoka, Y., Yamashita, A., Yamamoto, M.
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Journal Title
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より