2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17570144
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古賀 誠人 九州大学, 大学院理学研究院, 助教授 (60243888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 健 九州大学, 大学院理学研究院, 教授 (10249948)
藤原 学 九州大学, 大学院理学研究院, 助手 (70359933)
広津 崇亮 九州大学, 大学院理学研究院, 助手 (70404035)
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Keywords | 線虫 / 神経 / MAPK / 化学走性 / 順応 / 摂食 |
Research Abstract |
線虫のNa^+イオンに対する化学走性は餌との連合学習の面を持っていることが東大の飯野雄一等によってしまされている(J.Exp.Biol.2001,204,1757-1764)。通常の線虫はNa^+イオンの入った寒天培地で大腸菌を餌にして飼育している。この条件ではNa^+イオンに正の走化性を示すが、Na^+イオンのあるところで飢餓させると今度は逆に不の走化性を示す。Na^+イオンと餌の両方ない超純水に数時間漬けておくとNa^+イオンに対する正の走化性を示すことから、デフォルトはNa^+イオンに正の走化性を示し、これが周りの条件で修飾されると考えることができる。我々は化学走性変異体としてksr-1(kinase suppressor of ras)をクローニングし、Ras-MAPK経路がNa^+イオンに対する走化性に関与することを見出した。その発展としてMAPKの変異体mpk-1を調べたところ通常の飼育ではNa^+イオンに対して走性を示さないが超純水で数時間処理すると正の走化性を回復することがわかった。これはmpk-1が餌を摂食している情報と培地中にあるNa^+イオンとの情報をうまく連合させられないために起こると解釈できる。これに関していろいろな行動アッセイをした結果、mpk-1変異体では餌の情報によるNa^+イオンへの順応の抑制がうまくできないために餌の存在かであってもNa^+イオンに対して慣れを起こし正の走化性ができないと解釈できた。慣れの制御の遺伝的経路を明らかにするためインシュリン経路などとの関係を二重変異体を作成することで明らかにしていこうとしている。
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