2006 Fiscal Year Annual Research Report
真核細胞の染色体複製におけるMcm10タンパク質の機能とその制御機構
Project/Area Number |
17570148
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
泉 雅子 独立行政法人理化学研究所, 生物照射チーム, 先任技師(研究職) (00280719)
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Keywords | Mcm10 / 染色体複製 / 細胞周期 |
Research Abstract |
GFPタグをつけたヒトMcm10をHeLa細胞内で発現させると、DNA複製のfociの局在変化に類似した分布を示すが、GFP-Mcm10のパターンの変移は、複製のfociのパターンの変移よりも30分ほど早く起こることがこれまでの解析から明らかになっている。この結果は、GFP-Mcm10が複製開始の30分ほど前に複製部位にリクルートされること、Mcm10が複製前複合体の活性化に関与していることを示唆している。 複製におけるMcm10の機能を解析するため、蛍光抗体法によりMcm10以外の複製タンパク質の局在を調べたところ、S期初期には、GFP-Mcm10の局在はMcm3の一部とよく似ていることが判明した。またS期後期にはGFP-Mcm10はMcm3とほぼ共局在していた。また、欠失変異体を用いた解析から、S期における核内でのクロマチンへのloadingとfociの形成には、C末端側の領域(483-693)が関与していることを昨年度明らかにしたが、この領域(483-693)は、酵母two-hybridシステムでMcm2-7複合体と相互するドメインとオーバーラップしていた。以上の結果は、Mcm10はすでに形成された複製前複合体にMcm2-7を介してクロマチンに結合し、複製前複合体の活性化に関与していることを示唆している。 一方、Mcm10の生化学的性質を解析するため、ヒトMcm10をバキュロウイルスも用いて大量に発現・精製する系を確立した。精製したMcm10は、一本鎖DNAと二本鎖DNAにほぼ同じアフィニティで結合した。
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