2005 Fiscal Year Annual Research Report
核小体に局在するAAA-ATPaseNVL2のリボソーム生合成における機能
Project/Area Number |
17570165
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
長浜 正巳 徳島大学, 工学部, 助教授 (60281169)
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Keywords | 分子シャペロン / 核小体 / リボソーム / AAAタンパク質 |
Research Abstract |
AAA-ATPaseファミリーの一員であるNVL(Nuclear VCP-like protein)は、タンパク質複合体の解離促進に重要な分子シャペロンであるVCP(別名p97)と、アミノ酸配列が酷似している。NVLの主要アイソフォームであるNVL2は、リボソームタンパク質L5と結合して核小体に局在し、60Sリボソームの生合成に関与することが知られている。またNVL2は、rRNA前駆体のプロセシングに重要なRNAヘリカーゼであるDOB1と結合することが示されている。ドミナントネガティブ変異型NVL2を発現させた細胞では、60Sリボソームの生合成が阻害されることから、rRNA前駆体のプロセシングのいずれかの段階が阻害されている可能性が考えられる。これを確かめるために、変異型NVL2を発現させた細胞からRNAを抽出し、ノーザンブロッティングによる解析を行った。rRNA前駆体の様々な領域に対応する配列をプローブとして用い、プロセシング中間体の量を比較した。またプロセシングの効率をより高感度に検出するために、細胞を[methyl-^3H]メチオニンや[^<32>P]無機リン酸を含んだ培地中で短時間培養してrRNA前駆体をパルス標識し、これが28Sおよび5.8S rRNAにプロセシングされていく過程を経時的に電気泳動で観察した。しかし、いずれの実験においても、rRNA前駆体のプロセシングに顕著な影響は認められなかった。これらの結果から、NVL2はrRNA前駆体のプロセシングが完了した後にDOB1に作用し、リボソーム生合成の後期段階に寄与している可能性が考えられた。
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