2005 Fiscal Year Annual Research Report
分裂酵母の飢餓・ストレス応答における転写・組換え活性化とクロマチン再編成の機構
Project/Area Number |
17570168
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
太田 邦史 独立行政法人理化学研究所, 遺伝ダイナミクス研究ユニット, 研究ユニットリーダー (90211789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 耕志 独立行政法人理化学研究所, 遺伝ダイナミクス研究ユニット, 基礎科学特別研究員 (00342840)
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Keywords | クロマチン / 減数分裂 / 分裂酵母 / ストレス応答 / 転写制御 / ヒストンアセチル化 |
Research Abstract |
分裂酵母ではヒトp38類縁のキナーゼSpc1/Sty1がストレスに応じて活性化され、cAMP応答配列(CRE)に結合するCREB/ATF型転写因子Atf1・Pcr1の活性化を経て、一群のストレス遺伝子の転写が誘導される。また、Atf1・Pcr1は、CRE様配列に依存したM26組換えホットスポットでのクロマチン再編成とその後の組換え活性化に関わる。このクロマチン再編成はSAPK経路によって制御され、ストレス応答時の転写制御においても、Atf1・Pcr1とTup様転写抑制因子がストレス遺伝子プロモーターでのクロマチン再編成の制御に関与する。今年度の実績を下記に示す。 1)アミノ酸配列を指標に分裂酵母ゲノムデータベースよりM26クロマチン再編成に関わるクロマチン関連因子の検索を行い、Ada2、Hrp1、Hrp3などのクロマチン関連遺伝子群を取得した。これら遺伝子の変異株を用いて、M26部位ににおけるクロマチン再編成の有無、組換え活性化能、ストレス作用時の転写応答について解析を実施した。 2)tdh1などに存在する天然のCRE様配列について、DNA二本鎖切断や減数分裂期のクロマチン再編成を検出した。また、このDNA切断がAtf1-Pcr1に依存することを示した。 3)環境ストレスを加えた際のTup類縁因子の機能やCRE部位への結合を、クロマチン免疫沈降法により示した。加えて各条件下で周辺部位の転写レベル、クロマチン構造についても解析し、実験-1)で同定されたクロマチン再編成因子やRNA合成酵素などの転写因子のクロマチンへの結合を調べている。 4)C_2H_2型Znフィンガー転写活性化因子Rst2・Scr1のグルコース抑制・脱抑制時のクロマチン再編成における役割を変異体解析により調べた。また、GFP-Scr1の細胞内局在も調べ、Rst2とScr1の相反的な核局在化を示すことを明らかにした。
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Research Products
(4 results)