2006 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎動物初期胚の予定後脳におけるシグナルセンター形成の分子機構
Project/Area Number |
17570170
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
弥益 恭 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (60230439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二階堂 昌孝 埼玉大学, 理工学研究科, 助手 (70344950)
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Keywords | 発生生物学 / ゼブラフィッシュ / 脳形成 / 遺伝子発現機能 / 後脳 / 菱脳節 / ミュータジェネシス / トランスジェネシス |
Research Abstract |
1.脳の領域化遺伝子の領域及び時期に特異的な発現制御機構 (1)中脳後脳境界領域(MHB)におけるfgf8の特異的な発現を制御するMHBエンハンサーについて解析を進め、#3-4領域(0.3kb)が中脳から後脳前方(r1-5)にかけて発現を活性化すること、#2c領域(28bp)が中脳及び後脳r2-5での発現を抑制することを明らかとした。またMHBエンハンサー内にある2カ所のPax2結合配列がエンハンサー活性に不可欠であることを見いだした。一方、fgf8上流においては、終脳におけるfgf8の発現を再現しうる領域(1.1kb)を特定した。 (2)ゼブラフィッシュpou5f1(pou2)の上流6.5kb領域まででpou5f1の後脳における一過的な発現をほぼ再現しうること、特に上流2.2kb領域に強い転写活性化能が存在し、この内部にある4カ所のOctamer配列がすべて2.2kbエンハンサーの活性に必要であること、これらのOctamer配列間で物理的な相互作用が働くことを示した。 2.脳形成異常変異体のスクリーニングと表現型解析 すでに単離した2種の変異体(aa6k,中脳・顎異常変異体:isd,峡部・体節異常変異体)について表現型の解析を進めた結果、aa6kでは、神経堤細胞は分化するものの、顎の軟骨形成不全となること、isdでは中脳から後脳にかけて脳胞(脳室)形成不全が見られる他、体節の分節が起きないことを明らかとした。またaa6kについては連鎖マーカーの同定に成功した。現在、aa6kについては原因遺伝子の特定、isdについては染色体マッピングを進めている。
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[Book] 目で見る生物学(三訂版)2006
Author(s)
石原 勝敏, 団 まりな, 浅尾 哲朗, 山口 征矢, 弥益 恭
Total Pages
205
Publisher
培風館
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より