2007 Fiscal Year Annual Research Report
発生過程の特異的遺伝子発現を担う遺伝子ネットワークの解明
Project/Area Number |
17570179
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山本 卓 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 教授 (90244102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 達夫 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (10359888)
坂本 尚昭 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00332338)
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Keywords | 遺伝子 / 発現制御 / 発生・分化 / ゲノム |
Research Abstract |
本年度は以下のとおり研究を実施した。 1)HpTb遺伝子の組織特異的発現を担う転写因子結合エレメントの解析 バフンウニ胚T-brain(HpTb)は、発生過程において小割球由来細胞特異的に、孵化胞胚期から原腸胚期にかけて一過的に発現する転写因子である。本研究では、ウニ胚発生における小割球の分化に関わる遺伝子ネットワーク構造の解明を目指し、HpTb遺伝子の転写調節領域を行ってきた。本年度は、平成18年度の解析によって特定した保存領域(C1,C2,C4)内に結合し転写を調節する候補の遺伝子の絞り込みを行った。近縁種間で保存された転写因子サイトを検索し、それらに塩基変異を入れたレポーター遺伝子構築を作成し、ウニ受精卵へ導入した。C1領域に保存されたHairyファミリー結合因子の結合サイトを変異した構築では、内胚葉および外胚葉での異所的なレポーター遺伝子の発現が増加し、C2領域に保存されたSnailファミリー結合因子の結合サイトを変異した構築においても同様の異所的な発現が観察された。これらの結果から、HairyおよびSnail転写因子がHpTb遺伝子の異所的な発現を内胚葉や外胚葉で抑制する可能性を示唆した。 2)HpTb遺伝子の発現活性化を担うEts結合サイトの役割 平成17、18年度の解析から保存されたC4領域には、発現を増幅するエンハンサーが存在することが明らかにされた。本年度は、内在のEts転写因子がHpTb遺伝子の転写を活性化するかどうかをEtsの翻訳抑制により調べた。Ets1のモルフォリノアンチセンスオリゴを導入した胚では、HpTb-GFP融合遺伝子の発現が低下することから、Ets転写因子がHpTb遺伝子の正の制御因子であることが示唆された。
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Research Products
(9 results)