2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17570180
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
織井 秀文 兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 助手 (70211836)
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Keywords | プラナリア / 再生 / 発生・分化 / 動物 / 形態形成 / パターン形成 / 位置情報 |
Research Abstract |
扁平な動物であるプラナリアといえども、そのからだは3つの軸、すなわち、前後軸、背腹軸、遠近軸に沿った構造をもち、再生においては、その各々の軸に関わる位置情報シグナル分子の働きによって正確な組織構築がなされるものと考えられる。そのうち、背腹軸決定に関わる位置情報因子については、これまでに、その候補としてBMP(Bone Morphogenetic Protein)ファミリーに属する遺伝子DjBMPを単離している。本研究において、このDjBMPについてRNA干渉法により機能阻害実験を行った。RNA干渉法は一昨年私が改良した「soaking法」に従った。DjBMPの機能が阻害されたプラナリアは、さらに扁平になると同時に背側の体色が薄くなった。また、背腹の境界で発現することが知られているIfb遺伝子の発現領域が拡大していることが明らかになった。組織化学的に詳細に調べたところ、正常個体では腹側に2条見られる神経束が背側にも観察される個体が、わずかではあるが観察された。以上のことから、私は、DjBMPの機能阻害によって本来の背側が腹側に変換したと結論づけた。すなわち、DjBMPはプラナリアにおいて背側を規定する因子であると考えられる。 一方、前後軸については、後方にむかって勾配をもって発現するHOM/Hox遺伝子群が知られている。しかし、この遺伝子群の発現レベルは非常に低いため、whole-mount in situ hybridization法により再現よく発現を検出することは困難であった。特に発現レベルを定量的に取り扱うことは不可能であった。そこで、リアルタイムPCR法を用いることでHOM/Hox遺伝子群の発現を定量的に検出することを試み、それに成功した。この実験系を適用することにより、これまでに報告されてきた前後軸決定に関わる実験をより定量的に扱うことができるようになると思われる。
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