2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17570180
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
織井 秀文 兵庫県立大学, 大学院生命理学研究科, 助手 (70211836)
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Keywords | プラナリ / 再生 / 発生・分化 / 動物 / 形態形成 / パターン形成 / 位置情報 |
Research Abstract |
扇形動物プラナリアは、我々ヒト同様に、前後、背腹、遠近の3つの軸に沿った体制をもつ。プラナリアはどのように切断されても再生し、元と同じ体制をつくりあげることができる。これは再生過程において、個々の未分化幹細胞がそれを取り巻く環境からの何らかのシグナルを受け、個体の中の自らの位置を知ることで、適切な細胞へと分化することによると考えられている。しかし、その位置を知らしめる位置情報シグナルの分子的実体、また、再生過程において、いっ位置の決定がおこるのか、不明である。 本年度の研究において、私は、プラナリアの体の中心に位置する咽頭を指標にして、再生過程において位置の決定の時期を特定した。まず、プラナリア尾部片において咽頭のできる位置を調べ、常に断片中のほぼ一定の位置に形成することを明らかにした。この事実を利用し、切断した尾部片(第一切断)を一定時間後再生させ、それをさらに前後に二等分し(第二切断)その前断片の咽頭のできる位置を調べた。もし、第二切断彼の咽頭のできる位置が第一切断のみ行った尾部片と同じであれば第二切断を施す前に咽頭の位置が決定されていることを示す。その結果、切断後6から12時間の間に咽頭の位置が決定されることがわかった。咽頭を指標に行った実験であるが、前後軸に沿った体制の決定も同じ時期に決定されると考えられる。また、切断後6時間後と12時間後では組織学的な差異は認められなかったことは、位置の決定が個々の細胞分化に先立って起きるということを支持している。今後、位置の決定が起こる前後の切断後6時間と12時間の同位置における細胞の構成分子あるいは遺伝子発現の差異を調べることで位置情報シグナル分子の実体を明らかにすることができるものと考えられる。
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Research Products
(1 results)