2005 Fiscal Year Annual Research Report
初期原腸胚の細胞運命を制御するNotchシグナルの役割に関する研究
Project/Area Number |
17570181
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
木下 勉 関西学院大学, 理工学部, 教授 (30161532)
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Keywords | 発生 / 細胞分化 / Notchシグナル / アフリカツメガエル / 胚葉形成 |
Research Abstract |
ツメガエル初期原腸胚におけるNotchシグナルの役割を調べるために、本年度はNotchシグナルの下で働く転写因子XSu(H)2に着目してノックダウン実験とマイクロアレイ検索を行い、以下の成果を得た。 1.XSu(H)2-MOによる原腸胚期の遺伝子発現の変化 XSu(H)2-MO(Morpholino Oligonucleotides)注入胚では原腸陥入異常が引き起こされ、Xbrachyuryの発現が顕著に減少した。この減少はXSu(H)2 mRNAの共注入によってレスキューされたが、Notchの標的遺伝子であるXESR-1の野生型あるいは欠損型mRNAを共注入してもレスキューすることはできなかった。これらの結果は、原腸胚期にXESR-1とは異なるXSu(H)の標的遺伝子が働いていることを示唆している。 2.マイクロアレイを使ったXSu(H)の標的遺伝子の網羅的解析 Engrailed Repressor(EnR)をN末端に付加したXSu(H)2-EnRを作製し、このmRNAを注入したアニマルキャップを未注入のアニマルキャップと比較し、遺伝子発現が有意に抑えられる遺伝子群をマイクロアレイにより網羅的に検索した。原腸胚期に発現する3694クローンの中から転写が顕著に抑制される21個の候補遺伝子を絞り込んだ。 3.原腸胚期に作用するXSu(H)2標的遺伝子の絞り込み 上記21個の候補遺伝子について遺伝子発現とXSu(H)2に対する応答性を検討した結果、原腸胚期に応答するXSu(H)2の標的遺伝子候補として、転写因子をコードする4個の遺伝子を絞り込むことができた。 これらの遺伝子はXSu(H)2の新規標的遺伝子と考えられ、原腸胚期の胚葉形成との関係を今後検討する予定である。 尚、遺伝子増幅器の購入に際しては、ABI社2720モデルと同水準の安価なASTEC社PC708モデルが発売されたため、機種変更をして購入した。使途は同じであるため、目的に沿った研究を実施することができた。
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Research Products
(1 results)