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2005 Fiscal Year Annual Research Report

ショウジョウバエ翅形成シグナルとエピジェネティクス

Research Project

Project/Area Number 17570184
Research InstitutionNational Institute for Basic Biology

Principal Investigator

中村 真  基礎生物学研究所, 形態形成研究部門, 助手 (30212103)

Keywordsショウジョウバエ / エピジェネティクス / 形態形成 / クロマチン / 核
Research Abstract

我々は、ショウジョウバエ翅形成に必要な遺伝子を遺伝学的手法を用いてスクリーニングした結果、tonalli(tna)と呼ばれる核タンパク質を単離した。tnaは先行研究からTrithorax(Trx)グループ因子として記載されている。Trxグループはエピジェネエティックな遺伝子発現調節における中心的な役割の一つを担っていることが知られている。また、TnaタンパクはSUMO化E3リガーゼとして働くSP-RINGモチーフを持っている。我々は、Tnaの機能をショウジョウバエと脊椎動物を用いて明らかにすることを目指して研究を進めた。
先ず我々は、Tnaタンパクに対する特異的抗体を2種類作製することに成功した。この抗体は約110kdのTna蛋白質をWestern blot並びに組織免疫染色において特異的に認識した。Tna蛋白質は主に核に主に局在しているが、細胞質にも一部存在した。TnaがSUMO化E3リガーゼであるという仮説を証明するため、ショウジョウバエのSUMOであるSmt3に対する抗体を用いてSmt3量ならびにSmt3修飾された蛋白質量を野生型とtna変異体とで比較解析を行った。現時点で、Smt3化されたタンパク質のプロファイルには野生型のtna変異体での差は見られていない。しかしながら、核内でのSmt3局在には顕著な差がみられた。
また、我々は脊椎動物のTnaホモログであるTONAS-1, TONAS-2の解析も行った。TONAS-1, TONAS-2を認識する抗体(anti-TONAS-C)を作製した。TONASタンパクはやはり主に核に存在し、細胞質にも一部存在することが明らかになった。TONAS-1, TONAS-2の発現には組織、細胞特異性があり、一部の細胞ではTONAS-1もしくはTONAS-2の一種だけが発現していることが分かった。脊椎動物細胞に於けるTONASの機能を調べる目的でsiRNAを用いた機能阻害実験を行った。その結果siRNAのトランスフェクションにより特異的にTONAS-1, TONAS-2の発現レベルを低下させることに成功した。HeLa細胞でTONAS-1の発現を抑制すると、核の形態に顕著な異常が見られることが分かった。また、TONAS発現と蛋白質のSUMO化の関係を調べたが、今のところ顕著な変化は観察されていない。これらの結果はショウジョウバエの遺伝学的な結果と一致しており、TnaおよびTONASはSUMO化E3リガーゼとしては機能していない可能性が強く示唆された。

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Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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