2005 Fiscal Year Annual Research Report
体節形成における分子時計の進行波と定常波の関係の分子遺伝学的解析
Project/Area Number |
17570186
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
高橋 雄 国立医薬品食品衛生研究所, 毒性部・第4室, 主任研究官 (60321858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北嶋 聡 国立医薬品食品衛生研究所, 毒性部・第4室, 主任研究官 (30270622)
安彦 行人 国立医薬品食品衛生研究所, 毒性部・第4室, 研究官 (40370944)
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Keywords | 発生生物学 / 遺伝学 / マウス / パターン形成 / 分子時計 |
Research Abstract |
脊椎動物の体節の規則正しい繰り返しパターンは、未分節中胚葉に内在する分子時計の振動によって作られる。bHLH型転写因子Hes7と、Notch活性を修飾する酵素L-fngの発現は、未分節中胚葉において周期的に振動する。Hes7はHes7自身とL-fngの転写を抑制しNotchシグナルの振動をつくりだすことがわかっている。一方、Hes7もL-fngもNotchシグナルによって誘導される。マウス未分節中胚葉にはD111,D113の2種類のNotchリガンドが発現しているが、これらとHes7、L-fngの関係は明らかでない。そこで我々は、Hes7、L-fngを誘導するNotchシグナルのリガンドは何か、遺伝学的に解析した。まずD111ノックアウト胚ではHes7の発現は未分節中胚葉前方に達していないが、D113ノックアウト胚では発現していた。しかしHes7の発現は振動するため位相が個体ごとに異なり、個体間、異なるgenotype間で比較することが困難であった。一方Hes7ノックアウト胚ではHes7の抑制機能がないため、Hes7自身、L-fngの発現共に振動せず、どの個体でも常に高い状態で観察できる。そこでこの発現レベルにD111とD113がどのように影響するか検討するため、Hes7欠損マウスにD111あるいはD113の欠損を導入したD111/Hes7およびD113/Hes7ダブルノックアウト胚において、Hes7自身とL-fngの発現について検討した。その結果、Hes7自身とL-fngの発現はD111/Hes7ダブルノックアウト胚ではほとんど失われていたが、D113/Hes7ダブルノックアウト胚では減少は観察されなかった。このことから分子時計の振動においてHes7とL-fngの発現を上昇させるNotchシグナルはD111に依存していることがわかった。
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Research Products
(1 results)