2007 Fiscal Year Annual Research Report
メダカのグロビンおよび孵化酵素遺伝子からみた硬骨魚の遺伝子進化
Project/Area Number |
17570189
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
井内 一郎 Sophia University, 理工学部, 教授 (10011694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安増 茂樹 上智大学, 理工学部, 教授 (00222357)
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Keywords | 遺伝子 / ゲノム / 進化 / タンパク質 / ヘモグロビン / 卵化酵素 |
Research Abstract |
I:硬骨魚グロビン遺伝子の進化。メダカGb遺伝子と、フグおよびゼブラフィッシュのGb遺伝子の構造を比較すると、メダカのLG19染色体のad.α1-ad.β1-ad.α2遺伝子座と、フグのα3-β-α4遺伝子座の間には、遺伝子の相同性、系統関係の相同性、遺伝子の並び方の相同性から、共通の由来を持つ遺伝子群であることが明らかになった。また、ゼブラフィッシュのゲノム上でGb遺伝子は極めて多様であったが、メダカのLG19と相同なGb遺伝子クラスターが、ゼブラフィッシュのLG12染色体に存在していた。これらの遺伝子は、染色体全体として、少なくとも1億5千万年以前からconservativeであるといえる。 II:硬骨魚孵化酵素遺伝子の進化多様性と環境適応。卵胎生魚であるクロソイ胚に孵化酵素を同定し、単離し、精製して、生化学的性質を調べた。アスタシン・ファミリーに属する金属プロテアーゼとしての性質を備えていた。また、cDNAを調整して、遺伝子をクローニングすると、メダカ孵化酵素HCEと相同な酵素は発現していたが、メダカLCEと相同な遺伝子は偽遺伝子化しており発現していなかった。このLCE遺伝子の偽遺伝子化は、母親の胎内で、いわば守られた環境で孵化するという、クロソイの環境適応の結果であるといえる。事実、クロソイ胚の孵化酵素の基質である卵膜はメダカのそれに比べて極めて軟弱な構造であることも確かめられた。
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[Journal Article] Analysis of the exon-intron structures of fish,amphibian,bird and mammalian hatching enzyme genes,with special reference to the intron loss evolution of hatching enzyme genes in Teleostei2007
Author(s)
Kawaguchi, M., Yasumasu, S., Hiroi, J., Naruse, N., Suzuki, T., Iuchi, I
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Journal Title
Peer Reviewed
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