2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17570191
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Research Institution | JT Biohistory Research Hall |
Principal Investigator |
蘇 智慧 株式会社生命誌研究館, 研究部門, 主任研究員 (40396221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 剛 株式会社生命誌研究館, 研究部門, 奨励研究員 (90426651)
宮田 隆 株式会社生命誌研究館, 常務顧問 (20022692)
岩部 直之 京都大学, 大学院理学研究科, 助手 (80263060)
大林 延夫 愛媛大学, 農学部, 教授 (20253320)
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Keywords | 六脚類 / 昆虫の起源 / 分子系統 / 進化 / 遺伝子 |
Research Abstract |
陸上昆虫類(六脚類Hexapoda)は、無翅昆虫類と有翅昆虫類とに大きく分けられる。無翅昆虫類はさらに4目ないし5目、有翅昆虫類は27目に分類されている。近年の分子系統解析により、六脚類は多足類ではなく甲殻類に近縁であることが判明したが、六脚類が甲殻類のどの系統にもっとも近縁なのか、また六脚類そのものが単系統かどうかについては、まだ解明されていない。本研究は複数の核ゲノム遺伝子を比較して、昆虫類の起源、系統と進化を明らかにすることを目的としている。 昨年度の研究により、RNA polymerase II largest subunit(RPB1)、RNA polymerase II second largest subunit(RPB2)とDNA polymerase delta catalytic subunit(DPD1)遺伝子が本研究の系統解析に有効であることがわかった。これらの遺伝子を用いて系統解析を行った結果、六脚類の単系統性が示唆された。また、内顎類のカマアシムシ目が、六脚類の中でもっとも古く分岐したことも示唆された。更に、無翅昆虫類のイシノミ目とシミ目は有翅昆虫類と近縁となり、外顎類(有翅昆虫類+イシノミ目/シミ目)をひとつの分類群とする考え方が強く支持された。しかし、イシノミ目とシミ目は単系統とはならず、有翅昆虫類とシミが近縁でありイシノミはより古く分岐したことが支持された。有翅昆虫内部では、トンボ目とカゲロウ目(旧翅類)が同一起源を持って最初に分岐し、新翅類が単系統となることが強く支持された。また、新翅類の中では、従来完全変態類と準新翅類が近縁であると考えられてきたが、本解析の結果、完全変態類は多新麺類と近縁で、準新翅類はもっと古く分岐していたことが分かった。更に準新翅類は単系統ではないことも判明した。
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