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2006 Fiscal Year Annual Research Report

植物ウイルス感染による病微のタイプはどのようにして決定されるか

Research Project

Project/Area Number 17580001
Research InstitutionHOKKAIDO UNIVERSITY

Principal Investigator

犬飼 剛  北海道大学, 大学院農学研究院, 助手 (90223239)

Keywordsアラビドプシス / カブモザイクウイルス / えそ
Research Abstract

アブラナ科の作物ではカブモザイクウイルスに感染するとえそやモザイクといった病徴を生ずる。えそ病徴の方が農業上の被害が大きいことから、病徴が現れるメカニズムを解明し、病徴をコントロールする方法が求められている。これまでに、アブラナ科のモデル植物アラビドプシスを用いてえそ病徴が宿主側の遺伝子TuNlによって誘導されることが判明していたが、本研究によってさらに以下のことが明らかとなった。
1.カブモザイクウイルスの感染によってえそを起こした組織では細胞死と同時に過酸化水素の発生が認められる一方、えそを起こした組織にウイルスが局在することから、このタイプのえそはHR様のプログラム細胞死であると考えられた。
2.えそを発現した組織ではサリチル酸の蓄積量が通常の約10倍に上昇し、サリチル酸によって誘導される防御遺伝子PR1の発現量も顕著に増大した。また、同時にエチレンがシグナル物質として関与するPR3やPR5の発現量も増大しており、えそに伴い防御反応が誘導されていることが明かとなった。
3.突然変異体を用いた遺伝解析の結果から、病害抵抗性のシグナル物質であるサリチル酸、ジャスモン酸、エチレンの3物質がえそ誘導に関与していることが明かとなった。
4.えその発現程度は環境条件によって大きく変動し、これに伴って病徴やウイルスの局在性の変化、サリチル酸蓄積量の低下、防御遺伝子の発現量低下が観察された。この変化は植物のウイルスに対する抵抗性反応と類似していた。
5.えそ誘導遺伝子TuNlがマップされた領域に座乗する遺伝子についてウイルス感染前後で発現量を比較したところ、ウイルス感染後に著しく発現量が増大する遺伝子を見いだした。
以上の結果から、カブモザイクウイルスの感染によって生じるえそは抵抗性反応と同様の反応であり、サリチル酸、ジャスモン酸、エチレンを介したシグナル伝達経路によって誘導されているものと考えられた。現在、TuNlの候補となる複数の遺伝子をアラビドプシスに導入し、遺伝子の特定を行っている。

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Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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