2006 Fiscal Year Annual Research Report
リンゴ「ふじ」と芽条変異体「弘前ふじ」の日持ち性の違いに関する分子機構
Project/Area Number |
17580002
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
原田 竹雄 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (10228645)
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Keywords | リンゴ / 日持ち性 / 遺伝子 / エチレン / 品種 / サブトラクション |
Research Abstract |
‘ふじ'と‘ひろさきふじ'の完熟進行速度の違いは完熟時初期に機能するある制御因子が気象温度に左右されるものであることを示唆する。その実体として、エチレン生合成経路の律速段階を担うACS3遺伝子の上位因子であると推定される。そこでそれらの未知遺伝子を探る目的でサブトラクション法により差次的発現を示すcDNAの解析実験を行った。サブトラクティブ・バイブリダイゼーション法は2種類のmRNAグループを比較し、一方のグループの特異的発現遺伝子をクローン化できる極めて有効な方法である。サブトラクティブ・ハイブリダイゼーション法はいくつか異なる方法が知られているが、本実験では,PCR-SelectTM cDNA Subtraction Kit(CLONECH社)のプロトコールに従って行った。 それぞれ収穫適期14日前の‘ふじ'、‘ひろさきふじ'からサブトラクションライブラリーは作製された。作製した大腸菌コロニー、153個からプラスミドを抽出しcDNAクローンのシーケンシングを行った。ESTはBlastプログラムを使用し、GenBankデータベース比較によって同定された(表1)。α-Mannosidase、Metallothioneinlike、Calmodulin、Copper chaperone、Thaumatin-like、ER6、Ubiqutin ACC oxidase、Xyloglucan endotransglycosylase、Ripening-associatedは果実完熟に関わる遺伝子のコードタンパクとして、Glutathione S-transferase、Phospholipase PLDb2は槙物の老化に関わる遺伝子のコードタンパクとして報告されているものだった。また、リボソームRNAの混入が見られるが、これはオリゴ(dT)による逆転写の際にポリA付加RNAと同時にリボソームRNAも転写されたと考えられる。
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