2006 Fiscal Year Annual Research Report
イネ低アミロース突然変異体dullの原因遺伝子の機能解析と良食味米作出への応用
Project/Area Number |
17580006
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
一色 正之 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 准教授 (10314543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島本 功 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (10263427)
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Keywords | イネ / スプライシング / アミロース / Waxy / PRP1 / CBP20 / FCA / GFP |
Research Abstract |
良食味米の育種にも使われているdu11突然変異体(du)は低アミロースの表現形を示し、異なる5つの遺伝子座が知られているが、その中にはWx^bのスプライシング効率をさらに低下させている変異体がある。我々はduの原因遺伝子単離をマップベースクローニングにより試みた。その結果、du1はスプライシングを行うスプライソソームを構築するために必須の因子である酵母PRP1のホモログの変異であることがわかった。さらに、du3はRNAのキャップ構造に結合するCap-Binding Complexを構成する20kDサブユニット(CBP20)のホモログの変異体であった。 1.Du1について、Yeast two-hybrid法を用いて結合因子の探索を行った。その結果、PRP1と同じくU4snRNPとU5snRNPをつなぐ役割をするPRP31のイネホモログに結合した。 2.Du3についてWx^bのスプライシングヘの影響を解析するため、Wx^b - GUSとDu3 RNAiによるトランジェント解析を行った。その結果、予想に反しGUS活性が上昇した。 3.Du3 RNAi植物体の作成を行った。胚乳のアミロース含有量への影響などを調べる予定である。 4.Du3 RNAiにおけるABA応答について調べた。ABAにより発現誘導が知られている遺伝子について、ABA添加の有無でDu3 RNAi培養細胞における発現の変化をみたが、有意な変動はなかった。 5.mRNAの選択的プロセシングが行われていることが知られているFCA遺伝子について、du3変異体およびDu3 RNAiの影響を調べた。この結果、FCA mRNAのうち、第3イントロンにポリAが付加したFCAβの発現量がDu3変異体およびDu3 RNAiで著しく低下していることがわかった 6.Du1およびDu3の細胞内局在についてGFP融合遺伝子を用いて解析を行った。どちらの因子も核内に局在し、一部顆粒状になって蛍光を発していた。さらに、du3の1アミノ酸置換したタンパク質についても観察したが、野生型との違いは見られなかった。
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Research Products
(1 results)