2005 Fiscal Year Annual Research Report
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17580020
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
塩月 明 (菅野 明) 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (10260449)
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Keywords | サギソウ / コチョウラン / MADS-box遺伝子 / Bクラス遺伝子 / 唇弁 |
Research Abstract |
サギソウの花芽からmRNAを単離してcDNAプールを作成した後、RACE法によりMADS-box遺伝子をコードするcDNAクローンを単離した。これらのクローンの塩基配列を決定することにより得られた遺伝子の推定アミノ酸配列と既知の遺伝子配列を用いて遺伝子系統樹を作成した結果、サギソウからはBクラス遺伝子のうちDEF-like遺伝子1つ(HrDEF)、GLO-like遺伝子2つ(HrGLO1、HrGLO2)、またAGL6-like遺伝子が単離された。次にサギソウの野生型を用い、これらの外花被片、内花被片、蕊柱(雄ずいと雌ずいが融合した器官)からそれぞれ全RNAを単離し、ノーザンハイブリダイゼイション法とRT-PCR法を用いて花の各器官におけるBクラス遺伝子の発現解析を行った。その結果、2つのGLO-like遺伝子はともに外花被片、内花被片、蕊柱で発現がみられたが、DEF-like遺伝子は内花被片、蕊柱で発現がみられたが、外花被片では発現が見られなかった。一方、サギソウの唇弁形成変異体(品種‘飛翔')を用いて同様の解析を行った結果、GLO-like遺伝子もDEF-like遺伝子も、外花被片、内花被片、蕊柱で発現が見られた。このことから、サギソウの花弁状花被の形成およびがく片と花弁の分化にはDEF-like遺伝子の発現が関与していることが明らかとなった。またこの遺伝子の時間的・空間的発現を詳細に解析するためにはin situハイブリダイゼイション法による解析が不可欠であるが、本年度はサギソウの花の各器官が形成される時期を特定するために、さまざまな発達段階の花芽を固定し、花器官発達の過程を観察した。さらにサギソウおよびコチョウランから唇弁形成に関与する新規遺伝子を単離するため、まず唇弁、唇弁以外の内花被片、外花被片からそれぞれmRNAを単離した。
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