2005 Fiscal Year Annual Research Report
閉鎖系苗生産システム利用による無農薬葉菜類の計画生産と食品機能性強化技術の開発
Project/Area Number |
17580022
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
北条 雅章 千葉大学, 環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター, 助教授 (90110296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚越 覚 千葉大学, 環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター, 助手 (40270863)
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Keywords | 閉鎖系苗生産システム / 野菜の機能性 / 養液栽培 / 無農薬葉菜栽培 / 野菜の発芽 |
Research Abstract |
閉鎖系苗生産システムを使用し苗生産を計画的に行い、周年栽培の実用化が可能となった。本研究費で設置した高機能発芽室は4段の棚を有し、棚ごとに発芽温度を設置できる仕様とした。インキュベータに変わる装置として十分な機能があり、葉菜類の発芽に極めて効果的であり、従来のハウス育苗に比較し、播種粒数に対する苗の仕上がり率が向上し、95%以上の苗仕立て率となった。本装置により発芽させた、ホウレンソウ、コマツナ、ミズナ、ルッコラ、カラシナ等は、4日間の発芽処理の後、日長16時間、温度25-20℃、CO21000ppmの条件下の閉鎖系苗生産システムで8日間育苗することにより、養液栽培装置に定植可能な大きさになることが確認できた。従来のハウス育苗に比較し5〜6日間の短縮が可能であった。また育苗中の農薬使用は皆無であり、種苗会社の種子処理だけであった。養液栽培装置は、循環式のNFT栽培であり。施設内最低気温10℃、EC2.0〜2.5dS/mの培養液を常時循環させることにより、生育は促進され、2〜3月期の栽培の場合、定植後約3週間で葉菜類の収穫が可能となった。定植後の生育速度はハウス土耕栽培に比較し2/3〜1/2にまで短縮された。栽培装置は定植前に次亜塩素酸カルシウムにより消毒を行ったが、その他は無農薬により栽培し、市場価値の高い生産物を得ることができた。高機能発芽室、閉鎖系苗生産システム、養液栽培と順を追った栽培技術が無農薬葉菜類の生産に極めて有効であることが証明された。ほぼ周年栽培が可能であったが盛夏期の栽培には培養液の冷却が必要であると思われ今夏の検討を予定している。次年度は上記葉菜類のほか食品機能性の高いと思われるイタリアンパセリ、コリアンダー、カラシナなどを順次供試して、これら野菜の栽培方法を培養の濃度、温度などの面から検討することを予定している。
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Research Products
(1 results)