2005 Fiscal Year Annual Research Report
千葉県北総地域における里山活動の実態と緑地面積の変遷について
Project/Area Number |
17580023
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
古谷 勝則 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (10238694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜庭 晶子 筑波技術大学, 産業技術学部, 助教授 (10215692)
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Keywords | 緑地 / 里山 / イメージ / 市民活動 / 誘致圏 / エレメント想起法 / イメージスケッチ |
Research Abstract |
1.千葉県北総地域の残存緑地に対して里山活動参加者が期待する里山イメージについて 開発を免れた緑地を対象とし、行政および里山活動団体に対するインタビューから、残存緑地の置かれている状況を明らかにするとともに、里山活動団体の参加者へアンケート調査により里山に対する認識や期待、イメージを明らかにした。 2.千葉県北総地域における里山活動の成立年と緑地面積の変遷の関係 緑地の減少と里山活動団体の成立には関係があると考え、両者の関係を明らかにした。まず、参加者の緑地までの移動時間などから活動が持つ誘致圏が0〜20kmであることを明らかにした。次に、地域における土地利用の変遷についてGISを用いた調査から総緑地面積の増減よりも、個別の緑地規模の増減の方が里山活動団体の結成との関係性が高いことが分かった。個別の緑地規模の減少では1974年から1994年の間で最も減少率が高い時期以降に里山活動団体が結成されていることが明らかになった。以上のことから、北総地域において里山活動団体が結成される要因として、個別の緑地規模の増減率が一因である可能性を明らかにした。 3.千葉県北総地域における学生意識に見る若者の緑地保全活動への参加意思誘発プロセス 学生が緑地保全活動に対して持つ意識と、緑地に赴き市民活動へ参加意欲を持つまでのプロセスを明らかにした。学生たちは拠点となる場所から930m、生活圏から500m以内にある緑地に赴く傾向が強く、緑地に赴くことが緑地を評価することに繋がることがわかった。また、市民活動への参加意欲は緑地評価と大きく関わりを持っていることがわかった。さらに、生活拠点となる場所から2km以内にある緑地が、学生の参加意欲を誘発することがわかった。これらの結果から若者の緑地へ赴く意欲がわく過程から市民活動への参加意欲が湧くまでのプロセスの一端を示せた。
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