2007 Fiscal Year Annual Research Report
野菜類における環境制御による硝酸代謝調節機構の解明と硝酸塩低減化技術への応用
Project/Area Number |
17580026
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
名田 和義 Mie University, 大学院・生物資源学研究科, 准教授 (40293807)
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Keywords | 硝酸代謝 / アスコルビン酸 / シュウ酸 / 光呼吸 / 夜間照明処理 / 高CO_2処理 |
Research Abstract |
ホウレンソウの収穫直前に夜間照明を継続すると可食部の硝酸塩含量が低下し,アスコルビン酸含量が増加するが,シュウ酸含量の低下が極わずかであった。そこで,本年度では,夜間照明処理とシュウ酸代謝の主要経路である光呼吸系を抑制する高CO_2処理を組み合わせ,硝酸とシュウ酸を同時に低減させる技術開発のための基礎データを得ることを目的とした。ホウレンソウの光合成速度は,通常大気条件からCO_2濃度を高めるにつれて上昇し,処理濃度である900ppm条件下では,通常大気条件下の約1.6倍に増加した。また,光呼吸速度は,光合成速度とは逆に,CO_2濃度を高めるにつれて低下し,900ppm条件下で完全に抑制された。対照区の硝酸塩含量は,銘記に入ると徐々に低下したが,高CO_2処理によって対照句に比較して大幅に低下し,処理開始9時間目には対照区の約54%の値となった。シュウ酸含量,対照区ではほぼ一定の値で推移したが,高CO_2処理区では経時的に低下する傾向となり,処理開始9時間目には対照区と比較して14%ほど低下した。アスコルビン酸含量は,両処理区で増加ずる傾向となったが,処理間差は明確ではなかった。以上より,高CO_2処理によって光合成が高まることで硝酸低減およびアスコルビン酸増加効果が維持され,さらに光呼吸が抑制されることでシュウ酸代謝が抑制され,ホウレンソウの有害成分を軽減しながち有効成分を高める効果があるごとが明らがとなった。
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