2005 Fiscal Year Annual Research Report
セイヨウナシにおける結実管理システムの安定・省力化
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17580027
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高崎 剛志 神戸大学, 農学部, 助手 (30314511)
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Keywords | 自家不和合性 / セイヨウナシ / S-RNase / PCR-RFLP / 単為結果性 / 自家落果 |
Research Abstract |
セイヨウナシの栽培において人工授粉と摘花・摘果作業は大果・良質の生産において重要な作業である.平成17年度は12種類S-RNaseを有する品種の遺伝子型を推定できるシステムの開発とセイヨウナシ11品種の自家落果性の評価を中心に研究を展開した. 3'RACEと5'RACEによりS8〜S12-RNase cDNAの全長配列を決定した.塩基配列を基づき新たにリバースプライマー‘EP-anti-IIWPNV2'を設計し,‘FTQQYQ'と‘EP-anti-IIWPNV2'プライマーを用いたゲノミックPCRにより各S-RNase断片を増幅した.S12-RNase(1906bp),S2-RNase(1414bp),S4-RNase(369bp),S5-RNase(998bp)とS6-RNase(440bp)断片は電気泳動により識別可能であったが、約1.3kbのS1-とS9-RNase断片,および約350bpのS3-,S7-,S8-,S10-とS11-RNase断片の識別は困難であった.これら断片を7つのS対立遺伝子特異的制限酵素で切断・識別し,S1〜S12-RNaseを有する品種のS遺伝子型を推定できるPCR-RFLPシステムを開発した.このシステムを用いて97品種の遺伝子型を推定することができた. 1花そう全花(5〜7花)に対して人工授粉を行い,果そう内幼果数の推移を調査した.交配後3週間までにほとんどの品種で自家落果が観察された.自家摘果性と各品種の開花パターンとの関連性は認められず,1〜4番果が残り,1果そう当たり2〜3果になっていた.ラ・フランスなどの高い単為結果能力をもつ品種では自家落果は観察されなかった.
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