2006 Fiscal Year Annual Research Report
カンキツ類における倍数性周縁キメラ植物体の発生起源の解明と育種的利用に関する研究
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17580031
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
國武 久登 宮崎大学, 農学部, 教授 (80289628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 和夫 宮崎大学, 農学部, 助教授 (40164610)
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Keywords | ニンポウキンカン / 倍数体 / マイクロサージェリー / 周縁キメラ / フローサイトメトリー / 細胞キメラ / 試験管内接ぎ木 / カルス |
Research Abstract |
周縁キメラを利用したカンキツ育種は、親の優良な特性を組み合わせることが可能であり、近年非常に注目されている。しかしながら、その頻度は極めて低く、実用的な育種法とはいえない。そこで、我々は、昨年度、実生の胚軸組織をマイクロサージェリー法により試験管内接ぎ木を行い、シュートやカルス形成について検討したが、発生したシュートはキメラ化していなかった。本年度は、成長点どうしを試験管内で接ぎ木し、そのシュートやカルス形成について検討した。 材料には、四倍体と二倍体のニンポウキンカンの実生の成長点を供試した。マイクロサージェリー法により成長点のみを縦断し、それぞれの芽をつなぎ合わせた。接ぎ木した部分からの不定芽分化に及ぼす植物成長調節物質の影響について検討した。さらに、一端発生したカルスまたはシュートを切断し、シュート再生について検討した。 植物成長調節物質としてBAを0、1、2,5、10mg/lの濃度で添加したところ、80%〜100%の割合でシュートが観察された。特に、10mg/l区で高く、2ヶ月後の平均シュート数は4.3本であった。一方、カルス形成はほとんどの処理区で観察されたが、量的には濃度が高くなるほど多くなった。観察した限りでは、BA濃度を高くするとシュートが癒合することなく単独で二次的に分化する傾向が強く、低い濃度区の方が両方の成長点が癒合した形で発生するように観察された。 次に、マイクロサージェリー法により接ぎ木2ヶ月後、癒合・シュートが再生したところで、一度切除し、新たなシュートを再生させる方法について検討した。切除1ヶ月後、新たなシュートが再生してきた。現在、同様に発生してきたシュートをカラタチ台に接ぎ木を行い、成長を促している。 以上のように、本年度はキメラ化を促進するために、成長点のみを試験管内で接ぎ木を行う新たなマイクロサージェリー法について検討した。
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Research Products
(1 results)