2007 Fiscal Year Annual Research Report
カンキツ類における倍数性周縁キメラ植物体の発生起源の解明と育種的利用に関する研究
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17580031
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
國武 久登 University of Miyazaki, 農学部, 教授 (80289628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 和夫 宮崎大学, 農学部, 准教授 (40164610)
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Keywords | ニンポウキンカン / 倍数体 / マイクロサージェリー / 周縁キメラ / フローサイトメトリー / 細胞キメラ / 試験管内接ぎ木 / カルス |
Research Abstract |
異質倍数性周縁キメラ植物体の育成するために、ニンポウキンカンの倍数体やβ-グルクロニダーゼ(GUS)形質転換体を供試し、試験管内でのマイクロサージェリー法について検討した。 まず、四倍体と二倍体のニンポウキンカン実生を供試して、マイクロサージェリー法により胚軸を加工して試験管内接ぎ木を行った。接ぎ木30日後に不定芽形成が確認され、特に、1mg/1BAPを添加した1/2MS培地で95%の最も高い形成率が確認された。しかしながら、それらのシュートの倍数性を調査した結果、キメラ性を確認することはできなかった。次に、四倍体と二倍体のニンポウキンカンの実生の成長点のみを供試し、同様の手法でそれぞれの芽をつなぎ合わせ、接ぎ木した部分からの不定芽分化に及ぼす植物成長調節物質の影響について検討し、そのシュートの倍数性を調査した。植物成長調節物質としてBAを0、1、2,5、10mg/1の濃度で添加したところ、80%〜100%の割合でシュートが観察された。特に、10mg/1区で高く、2ヶ月後の平均シュート数は4.3本であった。一方、カルス形成はほとんどの処理区で観察されたが、量的には濃度が高くなるほど多くなった。さらに、二倍体GUS形質転換体と四倍体ニンポウキンカンの実生を供試して、同様の手法で試験管内接ぎ木を行った。X-Glucで染色することにより組織の癒合が確認されたが、そこからのシュート再生は別々に生じており、発生起源の証明は困難であった。 以上のように、マイクロサージェリー法による倍数性周縁キメラ植物体の効率的な誘導法の確立を試みたが、試験管内でのカルスの癒合組織からの再生頻度が低く、キメラ植物体の獲得には至らなかった。今後、様々な遺伝子型や接ぎ木法を改良し、再生頻度を高める必要がある。
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Research Products
(3 results)